羽目板のアガチスって?|木材 知識 おすすめの材 まとめ

アガチス羽目板について

今回ご紹介するのは、最近人気急上昇中の「アガチス」についてです。

アガチスと言われても、パッと思い浮かぶ方は少ないんじゃないかと思います。

実は使い勝手が非常によく、数十年前から日本ではかなり流通していた木材なんですよ!

アガチス_羽目板

【今回の記事のポイント】
✓アガチスの特徴や用途について知れる!

初稿日:2020/08/22
更新日:2024/02/13

《目次》
アガチス(無垢材)の特徴
アガチスの塗装について
アガチスの施工事例
アガチスのまとめ

 

天然木材.comの【無料サンプル】ではアガチスの質感や色味をお手元で確認できます!気になる方は是非、実際に手に取って実感してみてください。

まず始めに、アガチスという羽目板の木材についてご紹介いたします。
アガチスは、東南アジアを中心にニュージーランド、フィジーなどを含むオセアニア一体に広く分布する針葉樹になります。それぞれの国によって呼び名や、木材の特徴に少し違いがあり、特にオセアニア地方では「カウリ」と呼ばれ、直径が数メートルもある樹は「神木」として信仰の対象になったりもしています。

日本では、「ナンヨウカツラ」、「ナンヨウスギ」、「ナンヨウヒノキ」などと呼ばれ、高度経済成長期などに大量に流入しました。安価で、使い勝手もよく、当時の住宅には飾りの木材としてもかなり使われていました。しかし、現在では環境保護の観点から伐採量がコントロールされており、徐々に希少価値が高まってきている木材です。
※類似木材(ホワイトオーク/米松/ヘムロック/シナなどなど他多数)

カウリ

そんな神木ともされ、希少価値も高まっているアガチスが人気なのは、独特の光沢を持ち、ノーブルなたたずまいを創り出すからでしょう。希少価値が高まり、伐採量が規制されるようになって、無垢フローリングのように大量に使用するというよりかは、羽目板としてインテリアのアクセントに使う方が多くなってきています。他にも学校教材や工作材料、ギターの材料、将棋盤や駒台の材料としてもよく利用されてきました。

カウリ

アガチス(無垢材)の特徴

それでは続いてアガチス材の特徴についてお話していきます。

用途について

アガチス材には節がなく、松などの針葉樹らしからぬ落ち着いた風合いや、表面を磨くとにじみ出てくる独特の光沢が、高く評価されています。その為か、今では壁板や天井、無垢フローリングや窓枠、窓台などの造作材、ドアなどの建具材に至るまで幅広く使われています。

アガチスは、特に洋室との相性は抜群で、ノーブルで気品のある風合いは多くのアガチスファンを魅了しています。
木材のグレードや加工によって価格も異なり、サイズなどもいくつかある中での購入が可能です。

アガチス_羽目板
アガチス_羽目板

アガチスの材色は

アガチス材の材色については、桃色を帯びた灰褐色ないし、淡黄褐色になり、辺材は淡灰褐色で個体による差があります。無垢フローリング材としては優しいナチュラルな色味になります。

木材らしい風合いをだし、カジュアルな雰囲気にもシックな雰囲気にも相性抜群です!

材質について

木材の硬さについては、針葉樹にしては珍しく、比重が高くやや硬めの材質になります。木材としての最大の特徴は、年輪がはっきりしていないこと!
針葉樹は通常年輪がはっきりしているのが特徴ですが、アガチスは逆に年輪がわかりづらく、先ほどの硬さ同様、広葉樹のような特徴が見られます。
年輪というのは、夏に育つ部分と、春に栄養を蓄える部分とで成長差が生まれることで発生します。四季がはっきりしている場所で育つとくっきりと表れますが、アガチスが多く分布する東南アジアは常夏なので、それが表れにくいということです。

アガチス_羽目板_天井

ただ、一方で、アガチスは急峻な斜面に分布しているものも多く、1本の木の内部に斜面の山側と谷側で成長差が生まれ、「アテ」と呼ばれる硬い部位を形成してしまうことがあります。アテの部分は、乾燥させると曲がったりヒビが入ったりすることがありますが、天然木は生き物と同じですので、アテをゼロにすることは難しく、集成材として再利用するなど、アテとの共存を模索しています。

無垢材のことで詳しく知りたいことや、ご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください。専門店として、皆様の知識やお悩みを解決できるかもしれません。

アガチスの塗装について

それでは、続いて少し専門的な話になってしまうんですがアガチスの塗装という分野についてお話していこうと思います。木材というのは、塗装を施すことで全く違う表情を見せてくれることがあります。木材の種類や塗装方法によっては異なるものもございます。

もちろん、原木のままの無垢でも素敵ですが、その変わり様は美しく、滑らかで感動さえ感じることがあります。最近の主流はオイル塗装(オイルフィニッシュ)になりますが、ウレタン塗装というものもあります。今回はこの2種類について比較しつつご紹介していきます。

アガチス_塗装_自然オイル

オイル塗装(オイルフィニッシュ)自然塗料

オイル塗装は木材の内部に直接染み込んで仕上がる塗装で、ワックス、ステイン、漆などの類もこれになります。マットな感じに仕上がるのが特徴で、アガチスの素材感を存分に味わうことが出来ます。

また、最近では天然由来の成分を主原料とした健康にも環境にも配慮した自然塗料も多く出回っていて、オイル塗装とは敢えて別の分野で区別されることもあります。

ちなみに参考までにですが、ドイツの自然塗料は有名で、「オスモ」「リボス」「アウロ」などがメジャーに販売されています。国産であれば小川耕太郎∞百合子社さんの【未晒し蜜ロウワックス】が注目されているみたいです。

オイル塗装のメリット

■ 木材の持っている美しさや、素材感を表現できる
■ 木材、本来の機能である調湿効果を損なわない
■ ハケ塗りになるので誰にでも簡単に出来る(DIYや工作向き)
■ ウレタン塗装に比べるとコストが低い
■ 傷が味わいに変わる

以上が自然オイルによる良さになります。せっかくアガチスを使用するのであれば、木材の持つ特性や特徴は残したいですよね!仕上げでサッと塗るぐらいの方が、デザイン性においても木材を使った甲斐があります。
 

⇩⇩ 自然オイルを使用した実際のアガチスはこちら ⇩⇩

アガチス_塗装実例

オイル塗装のデメリット

■ 傷にはあまり強くない
■ ウレタン塗装に比べると耐水性に弱い
■ 全て手作業になるので塗装に時間がかかり、乾燥にも時間が必要
■ 定期的に重ね塗りをするなどのメンテナンスが必要

こちらがデメリットになりますが、一覧を見ていただいてわかるように、メリットとの表裏一体といった感じですね。しかし、手間をかけることで愛着が湧いたり、家族との共同作業で思い出の一つになったり捉え方によって良し悪しも人それぞれで変わってくると思います。ですので、皆さんに合った方法で選ぶことが一番になります。

アガチス_塗装15年経過

ご覧いただいてわかるように、アガチスはオイルやワックスによって光沢を増し、経年変化と適度なメンテナンスによって更に深みと味わいを増し綺麗な飴色へと変化を続けます。これがアガチスファンにとっても楽しみの一つであり、魅了される理由なんではないでしょうか?

また、スプルス材と比べても、着色性がとても良いです。木目を生かしながら、自然塗装による思い通りのカラーコーディネートが出来るのは個性やデザイン性を重視する方にもおすすめの一点と言えるでしょう!※スプルス=マツ科トウヒ属の常緑針葉樹のこと(日本では米唐檜とも呼ばれる)

ウレタン塗装の場合

ウレタン塗装は表面にウレタン樹脂塗膜を形成する塗装になります。木材の表面を樹脂で覆うことによって、外部からのストレス(日焼けや乾燥、熱や水気、傷など)から守る役割を果たします。

ただし、使用される木材の乾燥状態がよくないとウレタンによって閉じ込められた空気で木材が反れてしまったり、クラックと言われるひび割れをが入ってしまうこともあります。

こういった造膜型の塗料には多少の専門的知識が必要とされ、ニスやラッカー、UV塗装などもこれに含まれます。ちなみに、よく間違われやすいのが、UV塗装はUVカットをする塗装と思われがちですが、そうではなく、塗装をする段階で特殊装置によって紫外線を放ち、その光によって短時間で塗料を硬化させる方法の一つになります。

塗装_無垢材

ウレタン塗装のメリット

■ メンテナンスフリーなので、手間がかからない
■ 仕上げの色や艶の種類が豊富
■ 傷に強く、水にも強い
■ 乾燥が早い

以上がウレタン塗装の良さになります。先ほどの自然オイルとは反対の特性になりますね!メンテナンスフリーなところや、乾燥が早いことなどは嬉しいメリットになりますが、無垢材の素材の良さを感じられるのは自然オイルになるかもしれません。

ウレタン塗装_アガチス

ウレタン塗装のデメリット

■ 擦れたり、こすれてしまった際に塗装が剥げるとみすぼらしく見える
■ 再塗装をする際には部分的な取り剥がしが必要で手間がかかる
■ 使用する機材を置いたりする場所の確保、ホコリなどが舞う環境はNG
■ 木材の持つ調湿効果が作用しない

先ほどもお伝えした通り、少し専門的な知識や材料を使用する為、素人では中々難しい塗装になるかと…。その作業においても場所や環境が必要になります。また、業者さんに依頼するとあればコストもかかってきますから自然オイルより金額的には高額になります。しかし、将来性のことまで見据えて考えるとウレタン塗装の方が良いという方もいらっしゃるでしょう。

ウレタン塗装

写真を見てもわかるように、ウレタン塗装は艶出しによって光沢が溢れています。種類が豊富なので自分好みの色味を選ぶことも可能です。

また、ウレタン樹脂によってコーティングされることで建てつけ時と同じ輝きを保つことも出来ます。長く、この高級感を楽しめるのもウレタン塗装の魅力と言えるでしょう。まずは、【無料サンプル】にて実際のアガチスを実感してみませんか?写真で見るよりも実際に触れて、無垢材の良さを実感することで納得のいく購入ができます。

アガチスの施工事例

ここからは、人気でよく検索されるアガチスの施工事例をご紹介していきたいと思います。最近一番、目にすることが多いのは天井での採用かもしれません。空間のアクセントにもなり、空間全体を包み込んでくれるような存在感があります。

天井_アガチス
ダウンライトとの相性も良く、大人で都会的なイメージになります。
軒天_アガチス
外観の軒天にもアガチスを仕様!ウッディーな感じと豪華さが味わえ、周囲の住宅よりもオリジナリティーのある佇まいになります!
アガチス_羽目板

こちらは【西南桜の無垢フローリング】と【アガチスの無垢羽目板】で腰壁に使ったダイニングです。ナチュラルで明るい空間が居心地の良さを演出しています。

この他にもアガチスを使った施工事例をご覧になりたい方は以下よりご覧になれます。

⬇︎⬇︎ アガチス羽目板の実用例 ⬇︎⬇︎

アガチス施工事例

新潟県・個人住宅 広々とした窓枠と小上がり和室の枠にアガチス羽目板をご採用頂きました。窓枠、小上がり和室の枠のほか、建具枠にもアガチスが使用されています。

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アガチス施工事例

ハウスメーカーさんのモデルルームにアガチス羽目板をご採用頂きました。黒に着色したアガチス材を軒天、外壁に使用しています。

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アガチス施工事例

埼玉県・個人住宅 和室の建具材にアガチス羽目板をご採用頂きました。おだやかな色調で、空間をナチュラルテイストにしています。

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アガチス施工事例

福島県・会社事務所 事務所2階の内装にご採用頂きました。ドア、ドア枠、腰壁、見切、巾木と内装材ほとんどにアガチス羽目板を使用しています。

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アガチス施工事例

福島県・個人住宅 リビングの天井部分にアガチス羽目板をご採用頂きました。外からの日差しを浴びて、飴色に輝くアガチスは高級感が感じられます。

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アガチス施工事例

福島県・個人住宅にアガチス羽目板ご採用頂きました。腰壁をはじめ、建具、ドア枠、見切、巾木、収納棚に至るまでオールアガチスで制作しています。
オークの床材とあわせると、ナチュラルテイストな雰囲気になります。

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アガチス施工事例

個人宅の壁面の一部にアガチスの無垢羽目板を採用いただきました。アガチスらしい独特の光沢と、スッキリとした表情でインパクトのある演出になっています。

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アガチス施工事例

新潟県長岡市にあるSUITE HOMES (株)坂本建築設計事務所様にご採用頂きました。アガチスの無垢羽目板を使用し、天井を施工いたしました。天井に無垢材を使用することで、自然とナチュラルで優しい空間ができ、落ち着きのある部屋が実現しました。

➡️施工事例をもっと詳しく見る

アガチス施工事例

保育園のキッズラウンジの天井にアガチスの無垢羽目板をご採用頂きました。アガチスの滑らかな光沢と色味がとても温かみを感じさせてくれます。

➡️施工事例をもっと詳しく見る

アガチスのまとめ

いかがでしたでしょうか?アガチスついて少しご理解いただけましたでしょうか?
生産量が減りながらも人気があり、今ではフローリング材としてよりかは、アガチスの持つ色味や風合いが好まれ、羽目板として空間のアクセントに使用されることが多くなりました。環境配慮において規制がかかったりはしていますが、これほどまでに人気であれば、生産を促すよう植林なんかも進んでいるんではないかと思います。いつまで使用量が制限されるかはわかりませんが、愛され続ける限りおすすめしていこうと思います。

アガチスの素材としての魅力を楽しめる自然塗料と、艶出しを増した高級感たっっぷりのウレタン塗装は、それぞれに良さがあります。どちらも特徴や雰囲気も違いますから、一概にどちらが良くて、どちらが悪いとは言い切れません。

アガチスの無垢羽目板

いかに用途に合わせた仕上げをするかが大切で、好みや、コスト面も含めて検討することが大事になってきます。新建材とは異なり、時間が経てば経つほどに味わいが増し、深みが出る無垢材を選ぶことは「いい家に飽きずに長く住まう秘訣」なんではないでしょうか?

住人と共に月日を重ね、共に深みを増し、思い出になるアガチスは愛くるしい存在になるに違いありません。これから、新築を建てる方や、リフォームやリノベーションをお考えの方には是非、内装材の一つとしてアガチスを候補に入れていただきたいと願います。

私たちは、インドネシア、マレーシア両国の木材会社から、フレッシュなアガチス材を輸入しています。
山から木を切るところから関わっており、製材されるまで全ての工程を、現地の日本人スタッフがチェックしています。
また、アガチスは厳格な計画に従って伐採されており、私たちとしても関係法令を遵守した上で日本へと輸入しております。

無料サンプル請求】もOK!
アガチスの色、木目、質感等をお確かめ下さい。

監修者からのメッセージ

メッセージ

監修者:滝口 敦

(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)

木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良い無垢材を提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。

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