木材は光の影響によって変色する|知識 まとめ おすすめランキング

木材が変色する理由とは?

木材は経年変化により、いづれ変色していきます。では、なぜ変色してしまうのでしょうか?劣化?風化?日焼け?様々な理由が考えられます。今回はその木材が変色するメカニズムについてお話していこうと思います。

木材は時間の経過と共に色味が変わってきます
木材の色が変化するのには光の影響や、微生物や金属の影響など様々な要因があります。その中でも最も大きい影響があるのは光です。光の中の紫外線が木材の成分に強く反応し、吸収し、分解されることで色が変化していきます。

木材_変色

【今回の記事のポイント】
✓木材の変色についてのメカニズムがわかる。
✓変色の楽しみ方や知識が身に付く。

更新日:2023/10/16
初稿:2021/2/14

《目次》
光がもたらす変化と風化
変色を楽しめる木材 ランキング
光による見え方の違い
木材の変色と光~まとめ~

 

本物を質感を味わいたい方は【無料サンプル】もございますのでお気軽にお問い合わせください。。

この木材の色の変化は木材の種類によっても異なりますが、大抵は表面の厚さ0.5㎜ぐらいとされています。そして室内か屋外かでも色味は変わります。主に屋外にて使用する木材はシルバーグレーに変化するものが多く、セランガンバツーイペウリンなどのデッキ材が代表的です。

無垢材 デッキ

なぜ、屋外で木材を使用するとシルバーグレーになるのか?
それは、木材に含まれている変色物質が水に溶けやすく、雨などによって流されてしまうために脱色されたように変色していくからです。

このシルバーグレーの経年変化が好みで、敢えてそういった木材を選ぶ方もいらっしゃいます。弊社でもデッキ材は豊富に取り揃え販売しております。

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光がもたらす変化と風化

先ほどもお伝えした通り、木材に色の変化をもたらす最も大きな要因は光です。光は遮断が難しく、必ず影響が出ます。

◆ 変色のメカニズム

光には波長があります。その中の紫外線の影響は強く、木材の成分の化学結合を切ってしまいます。
木材の成分の中でも光に敏感なリグニンという成分は、光を吸収し分解、変性していく特徴があり、その過程で木材の色が変わっていきます

無垢材_光の関係

この変化によって、色が濃くなるものや褪せて薄くなっていくものなど様々ありますが、
例えばパイン材であれば、光によって飴色に変化していきますし、ブラックチェリー材ウォールナット材なども色味に深みが増していきます。

また、チーク材などに見られる筋などの木目は時間の経過と共に薄くなり、色の濃淡が少なくなっていく性質があります。
さらに言うと、熱処理を行った木材に至っては、色が明るくなってくる場合もあります。

このような変化は全て光によるもので、実物を見ても影響が大きいのがよくわかります。
しかし、この光による変化が見られるのは表面だけなので、削ってしまえば元のようになります。これは無垢材のような木材のみが可能ですので、無垢材の強みとも言えるでしょう。

◆塗料による変化

光の影響をさらにあげるのが、オイルやウレタンなどによる塗料によるものです。
オイルを塗装で使用した場合、オイル自体が酸化し、濃い色へと移り変化していきます。

オイル仕上げを行った木材は、オイルと光による効果一段と色が変化していきます。よく聞く、オイルフィニッシュのアンティーク家具などに色が濃いものが多いのはこのためです。

アンティーク家具_オイル塗装

また、ウレタン塗装の場合も同様に、ウレタンに含まれる成分が紫外線の影響によって、ウレタン特有の黄色っぽい色に変化しやすくなります。このウレタン色を好んで塗装を塗る方もいらっしゃいます。

塗装に関しては好みによるものが多く、内装によって本来の木が持つ色味をそのまま味わいたい方は、無塗装で使用する場合が多いですが、艶や飴色を出したい場合はオイルを塗り施工する方が多いです。

木材_オイル塗装

◆変色を防ぐために

正直、木材の変色を完全に防ぐ方法はありません
木材本来の色味を消す方法であれば可能かもしれませんが…それであれば木材である必要もなくなってしまいます。
ただ、酸化チタンを配合したワックスなどを使用すると、色の変化を遅らせることは出来ます

フローリング_塗装

 

現在のように多種多様に塗料があると色々な効果があるものも増えてきていますが、どれを選んでいいか迷ってしまいます。

他にも、経過段階で模様替えのように塗装を行う人もいらっしゃいます。
初めは木材の色味を楽しみつつ、その後塗装をして雰囲気をがらりと変えて使用することも可能です。

◆風化によるもの

こちらは前途でもお話したように屋外で使用する場合によく見られます。
屋外で木材を使用するとどんな種類の木材であってもシルバーグレーに変色します。屋外での太陽光は、室内と違い遮るものが一切ありません。
そのため、紫外線の影響をダイレクトに受けるのでリグニンが光によって分解され、それが雨などの浸透によって流されることで脱色されたように色が抜けていきます

ウッドデッキ_経年変化

このリグニンは木材を形成しているセルロースという成分を補強する役割があります。
そのため、雨に流されてしまうと補強するものがなくなってしまうので木材の繊維は表面から剥がれてしまい粗い状態になってしまいます。その粗い部分から光の侵入が深まり、劣化にも繋がってしまい風化するということです。

これもまた、木材の楽しみ方でもありますが、長く木材の色合いを楽しみたい方定期的なメンテナンスとしてオイルや塗装を施すことをおすすめいたします。
屋外はどうしても室内に比べると環境が良くないので劣化も早いです。大切に長く使用するためにはメンテナンスは欠かせないポイントになります。
弊社でも塗装仕上げをした木材やオイルの取り扱いもございますので、無料サンプルやお問い合わせなどお気軽にご相談ください。

変色を楽しめる木材 ランキング

ここでは変色を楽しみたい方におすすめの無垢フローリングのランキングを簡単にご紹介いたします。

第1位:ブラックウォールナット

ブラックウォールナット
ブラックウォールナットは世界の三大銘木にも選ばれる由緒正しき木材です。
元々、濃いブラウンが人気の樹種ではありますが、使い込むほどにその味わいは深くなり、アンティークとしても高価な取引が行われています。

第2位:チーク

チーク

チークも世界で名を知られている世界三大銘木のひとつです。

幅広く愛されてきたチーク材は経年変化と共に統一感が増し、滑らかな表情で包み込むような温かみを演出してくれます。

第3位:パイン

パイン
パインは初めは淡く白っぽい表面が美しく、何色でも合わせやすいシンプルな風合いですが、無垢フローリングだけに留まらず、家具などでも人気の高い種類です。
パイン材は使うことでツヤが出て光沢を増し、飴色に変化します。
他にも屋外であれば、セランガンバツーレッドシダーなんかがオススメです。
それぞれの樹種についてもっと詳しく知りたい方は詳細なコラムもあるので併せて読んでみてください。

光による見え方の違い

続いて、光によって見え方が違う木材の表情をご紹介します。ここでは太陽光ではなく、普段私たちが生活している中で使用している電気の光を利用して比べてみます。

実際、室内の空間において、日中の太陽光の他にも様々な照明によって空間を照らしますが、この照明によっても木材の表情は変わります。現在、市販されている電気は【白熱電球】【蛍光灯】【LED】などが一般的かと思います。この3つを元にそれぞれの電気を使用した際の木材の表情がどんなものなのかお伝えしていきますので選び方の知識として、情報を持っておくといいでしょう。

照明_見え方の違い

【白熱電球】

白熱電球を当てた木材は温かみがあり色鮮やかに立体的です。濃い色のオークウォールナットなどは赤みが強くなり鮮やかになりますし、パインスギなどはピンクがかったように温かみを帯びてぬくもりが感じられます

【蛍光灯】

蛍光灯の場合、木材が黄色のベールをかぶったように柔らかくなり、影も出来にくいです。
木材が一番フラットな状態で見える印象がありますからクリアな空間がつくれるでしょう。

【LED】

LEDを使用すると、今度は青白い雰囲気になり、濃い色はより焦げ茶色っぽく淡い色はより白っぽくみえる印象があります。
スタイリッシュな空間を好む方はLEDがおすすめかもしれません。

スタイリッシュ_寝室_照明

このように使う照明の種類によっても表情を変えるので、各部屋ごとに用途に合わせて照明と木材を組み合わせることで理想的な空間づくりができるかと思います。
木材だけではなく、照明ひとつを取っても見え方が異なるのは意外と住宅を建てる上では抜け目がちです。ですから、希望のお部屋のイメージを持ちつつ、使う木材も、照明も、併せて選ぶことが重要になります。

また、現在では蛍光灯であっても温かみのある色や、LEDにおいても色や形の種類が選べるほど種類が豊富になってきました。是非、ご自身の理想の空間に最適なものを選んで、後悔のないお家づくりをご検討くださいね。

木材と照明

お部屋の空間において床が占める割合は大きく、インテリアとして考えたときにはフローリングはとても大切な要素になります。現代では床はフローリングであることが多く、アパートやマンションでもフローリングかどうかで賃料に違いが出るほどです。

そんなフローリングをどんなものにするのか?どの樹種のフローリングにするかでお部屋の雰囲気はかなり変わります。そのフローリングを照らす照明も同様に重要です。

温かい空間が理想な方には、木材の色合いがよくわかるオークウォールナットなどを使用し、白熱電球のようなオレンジの照明が最適です。またスッキリと清潔感のある空間がお好みであればパインチークを使用したフローリングに蛍光灯のようなクリアな照明が良いでしょう。

無垢フローリング_照明

昔とは生活様式も変わり、求められるものも変化してきています。
長い時間を過ごすご自宅は快適で、自分好みであってほしいと思う方が多くなったことでフローリングも無垢材を使用した無垢フローリング人気になったり、照明の種類も増えました。

それぞれが選べる時代になったことで、個性を活かしつつ自分たちらしい生活ができる環境になったように感じます。

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木材の変色と光~まとめ~

いかがでしたか?木材が変色する理由や光の与える影響についてお話いたしましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
木材は自然のものです。私たちと同じように経年によって変化していきます。それが味わいや深みに変わり長く愛着の湧くものになっていくように感じます。

木材は同じものが一つもなく、色合いや節などの表情、木目もバラバラです。しかし、自然素材の場合はバラバラであっても統一感が出る不思議な素材です。フローリングに限らず、羽目板や家具も同様です。

無垢フローリング

 

変色に関しても自然と馴染むように徐々に変化することで味わいに変わります。
これらは天然素材だからこそ味わえる特別な効果と言っても過言ではないでしょう。そのため、多くの人から支持され愛される素材として今もなお、選ばれているんだと思います。

樹種によって変色の仕様も異なりますし、メンテナンスの仕方によっても変色は異なります。自分好みの色合いを出すためにじっくりと時間を掛けて育むほど愛着がが湧き、趣味や楽しみとしている愛好家の方もいらっしゃるぐらいです。

また、私たちにとっても木材にとっても、光の与える影響は大きく、木の成長段階から木材として加工され、建材として利用されるまでにも必要な存在です。現在のように木材が好まれ、生活に欠かせない木材にとって、光や照明は雰囲気や空間演出をする上では重要な役割を果たします。それにより照明をひとつ変えるだけ、木材の種類が少し違うだけでも幾通りもの空間づくりが可能となります。

実際に同じ樹種であっても、使う場所や選ぶグレード生活スタイルによっても変色や見え方は全然違うものに見えることがあります。しかし、購入段階でそれぞれの樹種がどのように変色するのかを判断するのは難しく確実ではありません
なので、弊社のような木材の専門家や販売先に聞いたり、インターネットで情報を集めるのも良いでしょう。

インテリア_木材_照明

是非、皆さんだけの組み合わせや好みを見付けて、快適な住環境をつくっていってくださいね!
もちろん、屋外だけでなく、室内であってもメンテナンスは重要で、メンテナンスを定期的に行うことで長く良い状態を保持できる上に、共に経年変化を楽しめると思います。

弊社に出来ることがあれば何でもご相談ください。木材のことメンテナンスのことなどがありましたらお気軽お問合せくださいませ。

コラム監修者からのメッセージ

監修者

監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)

木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。今回のモンキーポットも含め、その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良い無垢材を提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。

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