diyでウッドデッキを丈夫に作る5つのコツ
ウッドデッキは天然の木材や人工の木材で作ることができ、DIY初心者にとって非常に手を出しやすい設備と言えるでしょう。
材料がセットになっているDIYキットを使えば、1から材料を揃えることなく簡単に作ることができますし、工夫次第でオリジナリティを出すことも可能です。
せっかくDIYで作るのですから、丈夫で長持ちするウッドデッキを目指してみてはいかがでしょうか。
今回は、ウッドデッキをDIYで自作するにあたって抑えておきたい5つのポイントについて解説します。

今回の記事のポイント
✓ウッドデッキdiyのコツがわかる。
✓ウッドデッキのおすすめの素材や特徴がわかる。
更新日:2023/5/25
初稿:2022/8/26
《目次》
・1.ウッドデッキの基礎をしっかりと作る
・2.ウッドデッキには耐久性の高い材料を選ぶ
・3.ウッドデッキのデザインはシンプルにする
・4.ウッドデッキを直射日光や雨風から守る
・5.ウッドデッキにはステンレスビスや金物を効果的に使用する
・耐久性あるデッキ材を使ったdiyでウッドデッキを楽しもう
1.ウッドデッキの基礎をしっかりと作る
まずは基礎をしっかりと丁寧に作ることが重要です。
地面の上に直接柱を立ててしまうと基礎の部分が不安定になり、少しの衝撃で倒れてしまうでしょう。
また、地面が柔らかいとウッドデッキが徐々に地面の中に沈み込んでいってしまいます。
こうした事態を防ぐためにも、基礎づくりはおろそかにはできません。
基礎づくりは一番大変な工程ですが、同時に最も重要な工程でもありますので、確実に行うようにしましょう。

基礎作りを行う手順は、地面を20cm程掘り、そこに玉砂利や砕石を入れて突き固め、モルタルを敷いて束石を置き、掘った地面を再び埋めて固定するという流れとなります。
柱の高さが低かったり、地面を深く掘ることができず束石を使えない場合は、地面を掘る深さを浅くした上で基礎石を置くと良いでしょう。
基礎石は大きめで平らな石でも代用可能です。また、広めのウッドデッキの場合は、四隅の基礎を束石で作り、それ以外の接地点は基礎石を置くという方法もあります。
作りたいウッドデッキや地面の状況などに合わせて基礎作りを行いましょう。

また、特に天然木材を使う際に覚えておいてほしいのが、接地面の腐敗対策です。
木材の接地面には基礎パッキンを入れて、湿気を逃がせるようにすることをおすすめします。接地面が全て塞がってしまっていると、湿気が木材の中に閉じ込められて木材が腐敗を始め、破損しやすくなってしまいます。
基礎パッキンは木材の接地面を浮かせる形で湿気の逃げ道を作るため、木材が腐らないようになるのです。
ウッドデッキの木材は接地面の木口から腐り始めるパターンが多いため、基礎作りの際には基礎パッキンの装着も忘れないようにしましょう。
2.ウッドデッキには耐久性の高い材料を選ぶ
ウッドデッキを丈夫に作るためには使用する部材が肝心です。
なるべく耐久性の高い材料を使って、できる限りウッドデッキを長もちさせましょう。
以下では天然木材.comで取り扱っているデッキ材の中でも、特に耐久性の高いものについてランキング形式で紹介します。
第1位 セランガンバツー

セランガンバツーは、耐久力のあるハードウッド系の木材の中でも供給が安定しているため、安い価格で入手できる木材です。最大の特徴は寸法安定性に優れている点と言えるでしょう。
木材は基本的に空気中の水分を吸収して体積が大きくなったり、逆に水分が抜けて体積が小さくなったりします。セランガンバツーは、この膨張と収縮の振れ幅が小さいのです。そのため、一度ビスなどで固定してしまえば、体積の膨張や縮小によってウッドデッキ全体のガタつきが起きることはほとんどありません。
また、害虫や腐食に対しても非常に強く、素材に防腐食処理などの手を加えずとも15年以上の耐用年数を誇ります。長く使えるウッドデッキを作るならば、セランガンバツーは特におすすめできる木材と言えるでしょう。
第2位 ウリン

ウリンは、「アイアンウッド(鋼鉄の木)」という別名を持つことからもわかるように、非常に重硬で耐久力に優れた木材です。
割れ、反れ、曲がりといった狂いがないため、安定性を求められるウッドデッキにはうってつけの木材と言えるでしょう。カットをする際には電動丸ノコがおすすめです。
また、抗菌作用・抗酸化作用を持つポリフェノールを多く含んでいるため、腐食や雑菌の繁殖にも強い点が高く評価されています。水中や海中でも利用できるほどの耐腐食性を誇るため、国内でも浮き桟橋などで利用されるケースが多いです。シロアリやフナクイムシにも耐性があり、その耐用年数は100年以上と言われています。
もちろん耐久性ばかりの木材ではなく、見た目のカラーや美しさも評価ポイントです。製作直後は深みのある飴色ですが、経年変化によって深灰褐色に変わり、見た目でも長期間楽しむことができる木材と言えます。
第3位 アマゾンチェリー

高級家具やバイオリンの弦に使用されることが多いアマゾンチェリーは、ウッドデッキ材としても非常に優秀です。
ウリンと同じく水中や海中での利用に耐えられるほどの耐腐食性を持っており、加えてシロアリやフナムシへの耐性も持ち合わせています。強度も十分で、反れや曲がりなどの狂いが少なく、安心して使うことが可能です。
しかし、アマゾンチェリーの真骨頂はその耐久性と見た目の美しさを両立している点と言えるでしょう。緻密な木目となめらかな仕上がり面、そして鮮やかな赤褐色が鮮烈な印象を残します。
アマゾンチェリーを使うことで、高級家具を思わせる格調高い見た目のウッドデッキにすることが可能です。
3.ウッドデッキのデザインはシンプルにする
フェンスやステップが取付されていたり、おしゃれで凝った作りとなっているウッドデッキの施工例を見て、「自分もあんなウッドデッキを作ってみたい」と憧れる人もいることでしょう。
しかし、DIYでデザインを凝ってしまうとその分複雑な施工が必要となってしまいます。

例えば、床の板を長方形ではなく斜めにカットするなどの設計は、根太や骨組みも角度をつけた加工を行う必要があります。
角度をつけて木材をカットすると、その分木口の面積が増えるため、そこから水や雑菌が入りやすくなり、腐敗しやすくなってしまうのです。何より、DIY初心者にとっては非常に難易度が高い加工を行う必要が出てくるでしょう。

凝った作りのウッドデッキに挑戦するのは、DIYに慣れてからでも遅くはありません。
初心者のうちは特に、ウッドデッキのデザインはシンプルなものにすることをおすすめします。
4.ウッドデッキを直射日光や雨風から守る
ウッドデッキは屋外で使用するため、直射日光や雨、雪などに曝されることで色褪せや塗装の剥がれなど、劣化スピードが早まっていきます。長期的に使うためには、直射日光や雨風が当たらないように工夫する必要があるでしょう。
そこで有効な対処法の一つが、ウッドデッキに屋根をつけることです。ウッドデッキの屋根は何も飾りではなく、ウッドデッキ自体を劣化の原因となる雨や雪、直射日光から守る効果があるのです。

また、部屋の内部に雨が吹き込むことを防いだり、ウッドデッキを利用している人を紫外線から守ったりすることもできます。お子様やペットがいるご家庭にも屋根のあるウッドデッキは最適です。
雨の日でも洗濯物や布団を干すことができるなど、とても便利です。ウッドデッキの活用の幅を広げるという意味でも、屋根付きのウッドデッキは検討に値するでしょう。

ただし、屋根付きのウッドデッキを作る際にはいくつか注意点があります。
まず、屋根をつけることで上への開放感がなくなり、空間が狭く感じてしまうリスクがあることを念頭に置きましょう。完成形をイメージした際に、屋根をつけることで圧迫感を生まないかどうかは、そのまま屋根をつけるかどうかの判断材料となります。

また、屋根をつけることでメンテナンスが必要な箇所が増える点にも注意しなければなりません。屋根の上に溜まったホコリや汚れを掃除するのは非常に大変で、専門業者に依頼しなければならないケースも存在します。
屋根をつけることによって生じるメリットと、コストや手間を天秤にかけて、どちらがご自身の住宅にとって大切かを判断した上で屋根の取り付けを決めましょう。

屋根を取り付ける以外にも、ひさしの張り出した軒先に設置する、シェードや大きめのパラソルを置くなどの対策が有効です。雨や雪のことを考えると、シェードは防水性能の高いものを使うとよいでしょう。収納できるタイプのものもあります。
直射日光を防ぐことができれば、ウッドデッキの床板の温度も上がりにくくなりますから、夏場も安全に過ごしやすくなるというメリットも見逃せないポイントです。
様々な方法で直射日光や風雨からウッドデッキを守りつつ、快適でおしゃれなウッドデッキを目指しましょう。
5.ウッドデッキにはステンレスビスや金物を効果的に使用する
ウッドデッキを組み立てるに当たっては、ビスのサビ対策も重要です。鉄やユニクロメッキのビスはサビが発生し、ビスが折れてしまう恐れがあるため、サビの起きにくいステンレスビスを使用しましょう。
費用は鉄やユニクロメッキのビスよりもやや高いですが、値段相応の耐久力を発揮します。
ただし、ステンレスビスはネジ頭が弱く、ハードウッドへの留め付けを行う場合は無理にビスを回そうとしてネジ頭が潰れてしまう恐れがあります。ビスの留め付け作業を行う際には、必ず下穴加工を行うようにしてください。

また、金物もウッドデッキの耐久性を向上させる上で非常に有効な手段です。
ウッドデッキを組み立てる際に、木材同士に溝を入れて噛み合わせるホゾ組を行ってしまうと、木材に複雑な加工を施す必要があったり、ホゾの中に湿気が入り込んで木材が傷みやすい状態になってしまったりするリスクが存在します。
木材同士を組み合わせる際には、シンプソン金物などを使ってシンプルに組み立てを行うようにしましょう。特に、根太の留め付けには根太受け金物が必須です。
ウッドデッキの耐久性を高めるためには、少なくとも根太受け金物だけは使っておくことをおすすめします。

金物を使うことで、根太を2~3mm短くカットし、建物側をぴったりとくっつけて外側にわざと隙間を作る、という作り方が可能となります。
これにより、雨にかかりやすい切り口から入り込む水分の逃げ道を作り、湿気を木材の中に溜め込ませずに腐敗を防ぐ効果を期待できるのです。根太をホゾ組してしまうと、このテクニックを使うことができません。
その意味でも、最低限根太の留め付けには金物を使った方がよいのです。ステンレスビスと金物を上手く活用して、より長持ちするウッドデッキを目指しましょう。
耐久性あるデッキ材を使ったdiyでウッドデッキを楽しもう
ウッドデッキのDIYでは素材と組み立て方、さらに設計次第で10年以上の耐久性能を獲得できます。
今回説明したコツをしっかりと押さえて、10年後も安心して使えるウッドデッキ作りに挑戦してみましょう。
ご紹介した種類の豊富な木材は、天然木材.comで全て購入することが可能です。
安全性の高い高品質な天然木材.comのウッドデッキ材で、丈夫なウッドデッキを作りましょう。

監修者からのメッセージ

監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)
木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良い無垢材を提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。