無垢フローリング ランクアップした空間
床材を何にするかで、その空間が持つイメージはガラリと変わってきます。
しかし、無垢フローリングには様々な種類があるため、どれを選んだらよいのか迷ってしまう人も少なくありません。
今回は、無垢フローリングの種類や、手入れ方法などについて詳しく解説していきます。
内装材選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
今回の記事のポイント
✓無垢フローリングについての知識や種類が身に付く。
✓塗装別のお手入れ方法がわかる。
更新日:2023/5/25
初稿:2022/5/25
《目次》
・無垢フローリングとは何か?
・無垢フローリングの種類
・無垢フローリングのお手入れ方法
・無垢フローリングで唯一無二の空間
・無垢フローリングの空間 まとめ
無垢フローリングとは何か?
フローリングは、複合フローリングと無垢フローリングの二つに分けられます。
複合フローリングとは、合板や集成材で作られた基材の上に、化粧材を張り合わせたもののことです。
化粧材には、突板と呼ばれる、薄く木をスライスしたものや、2ミリ程度の厚みを持つ挽き板、そして模様がプリントされたシートが使われています。
無垢フロアに比べるとリーズナブルで、カラーや模様にも様々なバリエーションがあるため、インテリアの雰囲気に合わせて豊富な選択肢の中から選ぶことが可能です。
また、傷や汚れなどに強いといった特徴も持ち合わせています。
一方、無垢フローリングでは、自然の木を一枚板に加工したものを使っています。
つまり、天然100%の素材ということ。
その素材が持つ良さを思う存分楽しむことができるのです。
中でも、柔らかい質感や肌触りの良さ、そして香りは、無垢フローリングならではの特徴と言えるでしょう。
素足で歩いた時の心地よさは、その空間で過ごす人に安らぎを与えてくれます。
調湿効果や断熱効果にも優れているため、居心地の良い空間をつくり出せるでしょう。
また、無垢フローリングは経年変化を楽しむこともできます。
色合いや風合い、ツヤなどは、時間が経つごとに変化し、徐々に味わい深いものへと変わっていくでしょう。
天然木のため、複合フローリングに比べると傷はつきやすいですが、それもまた味わいの元となっていきます。
さらに、無垢フローリングの場合、他の場所と全く同じ模様になることはありません。
木は一本一本木目が異なり、切り方ひとつによっても模様が変わってくるからです。
そのため、表情豊かでおしゃれな雰囲気にすることができます。
一方で、無垢フローリングは天然素材のため、複合フローリングに比べて伸縮が大きく、反りや隙間が出やすい傾向があります。
また、長持ちさせるためには、正しい方法でメンテナンスし続ける必要もあるのです。
しかし、無垢フローリングの特徴を理解し、手入れを行っていく中で、次第に愛着もグンと増していくことでしょう。
無垢フローリングの種類
無垢フローリングには様々な種類がありますが、ここではその中でも代表的なものをいくつか紹介していきます。
王道の木材 オーク(楢/ナラ)
オークは、日本語で楢(ナラ)と呼ばれています。
とても硬く、耐久性にも優れているため、フローリング以外にも、家具やウイスキー樽、楽器など様々な場所で利用されてきました。
寸法安定性に優れていることも、高く評価される理由のひとつに挙げられるでしょう。
美しい木目を持ち、色合いは薄い茶色で、黄白色と言われることもあります。
また、オークには、ナラ、ホワイトオーク、レッドオークなどいくつかの種類があり、色合いもそれぞれ少しずつ異なります。
オークは、明るすぎず暗すぎない、ちょうど中間色の色合いのため、様々なインテリアに合わせることが可能です。
ナチュラルスタイルからモダンスタイルまで対応できる、万能選手と言えるでしょう。
木目の濃淡も激しくなくシンプルなため、広い面積に施工した場合でも上品な雰囲気を醸し出してくれます。
それが、様々なスタイルに合わせやすい理由でもあるのでしょう。
なお、オークは経年変化によって、少しずつ飴色に変化していきます。
深みがかった色合いのオークは、より高級感が増した雰囲気に。飽きにくい樹種の代表格とも言えるでしょう。
木材の王様 チーク
チークは、高級材のひとつで、世界的に高い人気を誇っています。
加工性が良く、耐久性にも優れているため、家具や内装材、船舶のデッキなど多くの場所で使われてきました。
また、油分を多く含んでおり、水気や害虫にも強いという特徴も持ち合わせています。
床材に向いている樹種ということは、言うまでもないでしょう。
チークは意匠性も高く、そのことも人気の理由のひとつとなっています。
黄色から茶褐色という、チーク特有の色合いは、とても味わい深い雰囲気を醸し出してくれます。
チークは、ミッドセンチュリーやクラシカルなスタイルとの相性が抜群です。
また、その色合いから、一見主張が激しそうな印象も受けますが、実はモダンスタイルやナチュラルスタイルにもコーディネートしやすい床材でもあります。
うまくチークを使えば、ワンランクアップした空間をつくれるでしょう。
時代を魅了した ウォールナット
ウォールナットは、クルミ科の広葉樹です。
チーク、マホガニーと並んで、世界三大銘木にも選ばれています。
高級な樹種として有名で、加工性も良いため、家具や内装材など、古くから様々な場所で使われてきました。
耐久性に優れており、衝撃や摩耗に対しても強いため、フローリングに向いている材質です。
色は、茶色から黒褐色にかけての、深みのある色合いをしています。
最初の頃は、少し青紫がかった濃い色をしていますが、経年変化によって、次第に赤みが出て、次第に明るい茶色へと変化していきます。
また、ウォールナットの魅力としてよく語られる点に、美しい木目が挙げられます。
その木目に合わせて作られるきれいなグラデーションは、その存在感をしっかり主張してくれるでしょう。
重厚感あふれる空間や、モダンでシックな空間をつくりたい時におすすめの無垢フローリングと言えます。
不動の人気 パイン
柔らかい質感と、明るい色合いが特徴のパイン材。マツ科に属する針葉樹です。
木目が大きく、ナチュラルな印象を与えることができます。
素足で歩いた時の肌触りがとてもよく、香りも良いため、リラックスして過ごしたい場所にぴったりな素材でしょう。
柔らかいため、子供や高齢者がいる住宅にもおすすめです。
また、パイン材は優しい色合いのため、ナチュラルスタイルに合わせやすい床材です。
比較的節が多くて目立ちやすいため、カジュアルな印象になるでしょう。
最初の頃は白っぽい色合いをしていますが、経年変化によって、徐々に飴色へと変化していきます。
カントリー調など、親しみやすいインテリアにぴったりな無垢フローリングと言えるでしょう。
日本代表 ヒノキ(桧)
ヒノキは、日本人にとって、身近な樹種のひとつです。
強度に優れており、水分にも強いため、日本では古くから建材や浴槽などに使われてきました。
東大寺や法隆寺などのような、歴史的に重要な建築物にも、実はヒノキが使われています。
また、優しい香りも、ヒノキが持つ特徴のひとつです。
ヒノキの香りは独特で、リラックス効果も高いといわれています。
さらに、香りの中には防虫効果がある成分も含まれているため、長い間使い続けることができるでしょう。
ヒノキは、最初の頃は白くて明るい色合いをしていますが、使い込んでいくほど飴色へと変化していきます。
味わい深く、落ち着いた雰囲気を楽しむことができるでしょう。
ヒノキの表面は柔らかく、肌触りも良いため、くつろぎ空間をつくりたい時にも最適です。
シンプルで明るい色合いの床材のため、和風スタイルやシンプルスタイルといったインテリアに合わせやすいでしょう。
無垢フローリングのお手入れ方法
無垢フローリングを長持ちさせるためには、正しくお手入れすることが大切です。
基本的に、普段のお手入れは、乾拭きや掃除機で問題ありません。
もし水をこぼしてしまった場合は、すぐに拭き取るようにしましょう。
また、無垢フローリングは塗装の種類によってお手入れ方法も異なるため、注意が必要です。
自然塗装の場合
自然塗装とは、蜜蝋ワックスやオイルを使った仕上げの事で、木が本来持つ質感を楽しむことができます。
一方で、定期的に塗り直し作業も必要となってきます。
普段の掃除は、掃除機や雑巾の乾拭きで問題ありません。
しかし、自然塗装の場合は水分が吸収されてしまうため、できるだけ水拭きは避けるようにしましょう。
化学雑巾や化学薬品などの使用も、変色の恐れがあるため避けておきます。
ひどい汚れがついた場合は、ヤスリがけをして取り除くこともできます。
再塗装する場合は、少量を塗り、しっかり乾拭きを行いましょう。
使用頻度によって、塗装の剥がれ具合も異なってきますが、基本的には半年から一年に一度程度が再塗装の目安となります。
ウレタン塗装の場合
ウレタン塗装の場合、無垢フローリングの表面には薄い膜が張ったような感じになります。
光沢が出て、表面も硬くなります。
耐水性もアップしますが、普段の掃除では掃除機と乾拭きを基本とするようにしましょう。
継ぎ目部分には塗装されていないため、そこから水分が入り込み、傷める原因になってしまうからです。
頑固な汚れがある場合は、塗れた雑巾で拭いても構いませんが、その場合はしっかり絞ってから行うようにします。
最後には乾拭きをして、水分を取り除いておくようにしましょう。
また、基本的にはワックスがけを行う必要はありませんが、半年から一年に一度程度、定期的にワックスがけを行うと、ウレタン塗装ならではの光沢をきれいに保てるようになります。
無塗装の場合
何も表面に塗装を行っていないタイプです。
木が持つ本来の肌触りや質感を楽しむことはできますが、汚れや傷はつきやすいため、注意しましょう。
普段の掃除は、乾拭きが基本となります。
また、汚れはヤスリなどで削って取り除くことも可能です。水拭きや化学雑巾、化学薬品などの使用は避けるようにしましょう。
無垢フローリングで唯一無二の空間
無垢フローリングが持つ魅力はたくさんありますが、その中でも特に、オリジナリティの高さは注目すべきポイントと言えます。
また、しっかりと手入れをすることで、無垢フローリングが持つ魅力はますますアップしていきます。
写真は【オーク・複合フローリング(キャラクターグレード)】を斬新な斜め張りで施工したデザインの高いフローリングスタイルとなっています。
こちらのフローリングは床暖房にも対応しており、機能性にも優れた無垢フローリングです。
オークの風合いが、落ち着いたたたずまいを演出しつつも、キャラクターマークがカジュアルな空間を作っています。
ショールームなどでも人気のあるオーク材は各方面から評価の高い品です。
続いては【チーク・ユニフローリング(セレクトグレード)】を採用した無垢フローリングです。
造り付けの家具とチークの無垢床材がとても相性が良く、何とも豪華な組み合わせとなっております。
住んでいる人の暮らしやこだわりが伺える素敵なリビングです。
逆光に照らされてハンドスクレイプの模様が浮かび上がっているこちらのフローリングは【アカシア・ユニフローリング(ナチュラルグレード)ハンドスクレイプ加工付き】です。
アカシアのほどよい色むらが空間のアクセントとなり、雰囲気のある空間を演出しています。
他にも無垢フローリングだから叶うおしゃれで味わいのある空間演出がたくさん。
無垢材を探している方はもちろん、新築、リフォームやリノベーションをご検討されている方も参考にしてみてはいかがでしょうか?
無垢フローリングの空間 まとめ
おしゃれなインテリアを検索していると住宅だけでなく、会社や店舗でも無垢フローリングや羽目板を採用している場合が多いです。
樹種の豊富さや、塗装によるカラーバリエーションによって選択肢も増え、自分たち好みの空間演出が可能となりました。
また、定期的なメンテナンスをすることで、長期的に良い状態で楽しめます。
皆さんもインテリアに無垢フローリングを取り入れて、唯一無二の空間をつくり出してみてはいかがでしょうか。
監修者からのメッセージ
監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)
木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良い無垢材を提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。