レッドシダーとは?無垢羽目板で人気
今回は、羽目板などで大活躍してくれるレッドシダーの樹木についてご紹介していきたいと思います。
最近は聞きなれた樹種としても広く周知されるようになってきましたが、実際にどんなものなのかをこの記事を読んで知っていただければ嬉しいです。
【今回の記事のポイント】
✓レッドシダーについての特徴などがよくわかる。
更新日2023/11/24
初稿:2021/1/12
《目次》
・レッドシダー材とは?
・レッドシダーの特徴や用途
・レッドシダーの風化と塗装
・レッドシダーは歴史がある
・レッドシダーについてまとめ
レッドシダー材とは?
レッドシダーは米杉のことを言い、ヒノキ科クロベ属の常緑針葉樹になります。
英語でレッドシダーと言うと4種類ありますが、ここで言うところのレッドシダーは主に建築用木材としての米杉になります。
直訳すると、アメリカ産のスギ材ということになりますが、スギと同科ではあるもののスギ属ではなくクロベ属に分類されるため、アメリカネズコとも言われます。
ここでややこしいのが、アメリカスギ。
アメリカスギはセコイアの別名になり、レッドシダーとは全く別の木材になります。
情報が錯乱してしまいますよね…ただ、表示だけを見ていれば間違うこともないかと思います。
また、英名で言うと【ウエスタンレッドシダー】と言われ、主にアメリカ・カナダなどのロッキー山脈付近や、太平洋岸北西部が産地となる。
そのため、北米ではとてもポピュラーな木材として昔から多方面で使用されてきました。
現在の日本においても、無垢羽目板や軒、外壁サイディング、デッキ材などでも人気が出てきています。
耐久性が強い一方で、強度はあまり高くないですが、その大きさからトーテムポールなどの材料として昔から使用されてきました。
カナダの先住民は昔からこの木と共に生活をし、生命の木としても崇めれれていました。
木の幹は長さもありカヌーや住宅などに用いられ、樹皮は編んで敷物にしたり、根っこの部分まで残すことなく使用されていたようです。
特有の赤褐色がキレイで、色調が均一でないのも楽しみの一つとして愛されています。
節が特徴的にわかる節有や、節がないもの(無節)などバリエーションが豊富なのも魅力です。
レッドシダーの特徴や用途
優れた耐久性
レッドシダーは針葉樹の中でも最も優れた耐久性を持っているんではないかと言っていいほど、湿気や腐食、害虫においても耐性が備わっています。
この耐久性はツヤプリシンという成分によるものらしく、それが自然と備わっていることで樹木としても、木材としても確固たる地位がそこにあるのかもしれません。
生命の木として言われる所以が理解できますね。
最高の加工性と安定性
レッドシダーは何と言っても木目通直で狂いがなく、とても加工性に優れた木材になります。
カンナやサンダーなどでもキレイに仕上がりますし、ビスなどの取り付けにおいても簡単にできちゃいます。
誰にでも扱いやすいのでDIY建材としても人気があります。
また、レッドシダーは低密度で低伸縮なので、他の木材と比べても寸法の狂いがなく、長く安定した状態での使用が可能になります。
DIYでも使える無垢羽目板レッドシダー
魅力的な濃淡の色調
レッドシダーは色の濃淡があります。
赤褐色から淡い黄色褐色になり、自然本来の色味として人気があります。
ただ、木目や節、色味全てにおいて同じ表情がないのも特徴で、バラつきが気になる方にはおすすめ出来ないかもしれません。
逆にこのバラつきによって表情豊かになり、空間を演出してくれる面では愛着が湧き、味わいが深くなることでしょう。
この不揃いな表情が、空間の柄として存在することで、一気にお部屋や使用箇所の雰囲気が変わります。
ナチュラルな暮らしや、カジュアルな空間が好きな方には最適です。
羽目板を利用して天井や壁に貼るも良し、外壁サイディングとして外観のアクセントとして使用するのもおしゃれですよ!
意外と知らない保温と断熱性、音響効果
先ほども述べたようにレッドシダーは低密度のため、優れた断熱効果をもたらします。
この特性を活かしてウッドデッキなどに使用すると、他の建材に比べて、夏の日差しでも表面温度を保ち、快適なテラスライフを送ることができます。
また、音響効果として、音の抑制や吸収にも耐性があり、コンサートホールなどでも羽目板として使用が見られます。
その反面、音の共振性を活かして楽器などでも使用されることがあるみたいです。
レッドシダーの風化と塗装
木材というのは経年変化があります。
木材の種類によって異なりますが、レッドシダーの場合は通常はシルバーグレーに変化していきます。
しかし、これは乾燥した土地であれば綺麗になりますが、日本のような湿気がある国では濃いグレー色になったり、染みなどによって黒く変色する場合があります。
それも一つの味に変わりますし、もちろんそれが良いという方もいらっしゃいます。
もし、色の変化を少なく長くキレイな状態で保ちたい方には塗装することをおすすめいたします。
レッドシダーは低密度なので細かい木肌になります。
施工前にしっかり塗装してあげることで耐久性の向上にも繋がります。
ただ、塗装をする場合には注意も必要で、強い日差しによる紫外線や、雨風になるべくさらされないように塗装することが大切になってきます。
羽目板の他に、デッキ材やフェンス用、外壁サイディングなどの屋外での使用をするレッドシダーには屋外専用の塗料を使ってください。
ペンキなどの表面を覆う塗料は、いづれ時間と共に剥がれてしまうので出来れば浸透性のあるものの方がいいでしょう。
塗り残しやむらのないよう細部に渡って塗装することが長持ちの秘訣になります。
塗装はワックスやオイル、ラッカーやニス、合成樹脂塗料など沢山の種類があります。
種類によって、または水性のものを使用する際などは製造元の説明をよく読み、それに従って施工してくださいね。
木材を長く楽しむためには、塗装などのひと手間やメンテナンスはとても重要になります。
定期的に汚れを落としたり、再塗装するなどしていればその分、長く愛用できます。
メンテナンス時期や、塗装サイクルなどを詳しく知りたい場合は専門業者に確認したり、プロの方にお任せするのもいいかもしれません。
レッドシダーは歴史がある
レッドシダーは100年以上も先住民の文化を守ってきました。
前途でもお話した通り、アメリカの先住民族にとって「生命の木」として親しまれた樹木は、何世紀にも渡って使用されてきた歴史ある木です。
先ほどもお話しましたが、樹皮は敷物や縄に使い、幹はカヌーやトーテムポール、住宅用建材として、余すとこなく使用されてきました。
それほどまでに神聖で大切な木材だったのでしょう。
その為、使用する前には儀式を行い伐採する他、切断する前に木の健康状態などを確かめるために一部を取り出して検査するなどして伐採していいものかを判断したそうです。
大切な神木でもあることで無駄な伐採を拒み、木と共に生きている。まさに先住民の知恵と共存の証とも言えます。
レッドシダーはアメリカだけでなく、インダス文明にまでも使用があったと発見されているようで、王様の住居や、寺院などの建築資材にも利用されていたようです。
レッドシダーは世界でも上位に入るほどの大木になります。
それゆえに資材としては一本の木の伐採でかなりの量が取れるので、重宝されていたことでしょう。
日本でもこのレッドシダー同様のネズコは歴史も古く、ご神木として人間よりもはるかに寿命を越えて生存しています。
有名なところでいくと長野県の加茂神社にあるネズコは樹齢400年とも言われます。
日本でも古くからネズコは木曽五木として存在価値があり、現在の伊勢神宮にも使われているとか。
この木曽五木は、現在の長野県から岐阜県にかけての木曽山脈にあり、関ヶ原の戦いによって徳川家が勝利したことで木曽谷が徳川尾張藩領となり、急速に伐採が進んだとされます。
その頃は築城も多く、木曽五木の質の良さからかなりの量を伐採したとされ、その後、森林資源が急速に失われたことで立ち入り禁止になったそうです。
それから保護活動が始まり、現在に至るまで天然林とされ美林とされてきました。
レッドシダーについてまとめ
以上がレッドシダーについてになります。
名前だけ聞くと新しい木材のように思えますが、歴史は古く、各地で先住民のなどによって守られてきた大切な樹木だったということがわかります。
その大木から資源としても需要があり、神聖なものとして崇められてきたことで現在まで生存しているのではないでしょうか?
建築資材としてはもちろんですが、現代のようなおしゃれな空間を求める風潮にも対応でき、無垢羽目板やデッキ材、外壁サイディングにいたるまで使用が見られます。
最近はこの外壁サイディングとして使用するのが人気で、外観だけで個性やカジュアルさが伝わるので需要もかなり上がってきています。
レッドシダーの持つ特性や耐久性によって長く住み続ける住宅には最適な木材かもしれませんね。
経年変化を楽しむのも良し、塗装をして綺麗を保っても良し、幅広く利用が可能なレッドシダーだからこそ出来る空間があるのかもしれませんね。
もし、これから新築やリフォームをお考えの方も是非一度、手にとってご覧になってみてください。
【無料サンプル】もございますのでお気軽にお問合せください。
他にも数種類の木材を取り扱っておりますので、空間に合う木材選びなどにもご相談にのりますよ!
皆さんのお気に入りの木材を見つけて、快適な住まいを楽しんでくださいね!