公共施設・市役所・庁舎に「羽目板」を。木の温もりでつくる親しみやすい行政空間
今回は、公共施設・市役所・庁舎に羽目板を取り入れるメリットや、地域材を活用する意義、さらに公共空間におすすめしたい国産杉・ヒノキ・カラマツの特徴について、木材選びのポイントとあわせてご紹介します。
【今回の記事のポイント】
✔️公共施設・市役所・庁舎に羽目板を使うメリット
✔️親しみやすい行政空間と地域材活用の相性
✔️国産杉・ヒノキ・カラマツの選び方
初稿:2026/8/10
《目次》
・公共施設・市役所・庁舎に羽目板が選ばれる理由
・無機質になりがちな行政空間を木の温もりで変える
・羽目板は「地域材活用」とも相性が良い
・公共施設におすすめしたい3つの国産樹種
・市役所・庁舎で羽目板を使うなら、どこに取り入れる?
・公共施設向けの羽目板選びで確認したいポイント
・木材専門店だからこそできる用途に合わせた材種選び
・まとめ|羽目板で地域に開かれた公共空間を
公共施設・市役所・庁舎に羽目板が選ばれる理由
市役所や庁舎、図書館、文化施設、地域交流センターなどの公共施設では、「利用する人が安心して過ごせる空間」が求められます。
行政手続きのために訪れる市民はもちろん、子どもから高齢者まで幅広い世代が利用する場所だからこそ、機能性だけでなく、空間そのものの印象も重要です。
そんな公共施設の内装材として、近年改めて注目したいのが「羽目板」です。
羽目板とは、板材を並べて壁や天井などに仕上げる内装材の一つ。
木材ならではの質感や色合いをそのまま空間に取り入れられるため、コンクリートや金属、石材などが中心になりやすい公共建築に、自然な温かみを加えることができます。
例えば、庁舎のエントランスや受付カウンターの背面に木製羽目板を使用すると、来庁者が最初に感じる印象を柔らかくすることができます。
また、待合スペースや市民交流スペース、議会関連施設などに取り入れれば、落ち着きのある空間づくりにもつながります。
「行政施設だから、堅くて無機質なデザインにする」
そんな従来型のイメージから一歩進み、市民に開かれた、親しみやすい行政空間をつくる素材として、木材を見直してみるのも良いでしょう。
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無機質になりがちな行政空間を木の温もりで変える
市役所や庁舎は、どうしても「手続き」「申請」「相談」といった機能が中心になります。
そのため、建築デザインにおいても、耐久性やメンテナンス性、機能性などが優先され、内装が無機質になりやすい傾向があります。
しかし、実際に施設を利用する市民にとっては、「何をする場所なのか」だけでなく、「どんな気持ちで過ごせる場所なのか」も大切です。
例えば、初めて市役所を訪れた人が、木の質感を感じられる受付や待合スペースに入ったとします。
白い壁や金属だけで構成された空間に比べると、木材が見えることで、どこか落ち着いた印象を受けるのではないでしょうか。
木材には、節や木目、色の濃淡など、一枚一枚異なる表情があります。
工業製品のように均一ではないからこそ、空間に自然なリズムが生まれます。
特に羽目板は、板を連続して施工することで木目が面として広がるため、木材の存在感をしっかりと感じられるのが特徴です。
「親しみやすさ」をつくる素材として
公共施設では、利用者が「入りやすい」「相談しやすい」と感じられる雰囲気づくりが重要です。
木の温もりを取り入れることで、行政施設特有の緊張感を和らげる効果も期待できます。
もちろん、木材を使えば必ず親しみやすい空間になるわけではありません。
樹種や色、板幅、節の見え方、塗装、照明などによって印象は大きく変わります。
だからこそ、設計段階から「どんな施設にしたいのか」を考え、それに合った羽目板を選ぶことが大切です。
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羽目板は「地域材活用」とも相性が良い
公共施設の内装を考える上で、もう一つ注目したいのが地域材の活用です。
市役所や庁舎は、その地域を象徴する建築物になることも少なくありません。
そこで、その地域や周辺地域で生産された木材を内装に取り入れることで、「地域らしさ」を建築に表現することができます。
例えば、地元で育った杉を羽目板として壁や天井に使用する。
それだけでも、その施設に「地域の木」が存在することになります。
これは単に木材を使うというだけではありません。
地域で育った木が、製材され、加工され、建築材料として使われ、長く施設の中に残っていく。
地域の森林資源を建築という形で次の世代につなげていくことにもつながります。
地域材を「見える形」で使う
地域材活用では、構造材など目に見えない部分だけでなく、人の目に触れる内装材として使うことにも大きな意味があります。
例えば、エントランスの壁やホールの天井に地域材の羽目板を使用し、「この地域の木材を使用しています」と案内を添える。
それだけでも、施設を訪れた市民が地域の森林や木材について知るきっかけになります。
特に市役所・庁舎は、多くの市民が利用する場所です。
そのため、地域材を「建築の一部」として見せるだけでなく、地域の魅力を伝える展示や情報発信の一部として活用することもできます。
「地域材を使うこと」+「地域材を知ってもらうこと」
この2つを組み合わせることで、公共施設ならではの木材活用が可能になります。
羽目板は幅広い活用法で、空間にデザイン性や温もりをもたらしてくれるアイテムとして、近年人気が高まっています。
紹介したように地域材の活用という部分でも自治体として検討されるケースが多く、多くの施設でも採用されるようになっています。
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公共施設におすすめしたい3つの国産樹種
ここからは、公共施設や市役所・庁舎の羽目板には、どのような樹種が向いているのか?
特におすすめしたい国産杉・ヒノキ・カラマツについて、それぞれの特徴を見ていきます。
【国産杉】
温かみのある空間づくりに
公共施設の羽目板として、まず候補にしたいのが国産杉です。
杉は日本の代表的な木材の一つで、地域材としても利用しやすい樹種です。
比較的柔らかな木質で、木目も美しく、温かみのある表情を持っています。
特に杉の魅力は、「木を使っている」ということが分かりやすいこと。
赤身と白太の色の違いや節、木目など、自然素材ならではの表情を楽しめます。
そのため、「市民交流スペース」「エントランス」「図書館」「子育て支援施設」「地域交流センター」「公民館」など、柔らかい雰囲気を求める施設と相性が良いでしょう。
また、地域によっては地元産の杉を地域材として活用できる可能性もあります。
「地元の木を使った公共施設」というストーリーをつくりやすいのも、杉の魅力です。
【ヒノキ】
清潔感と上品さを演出
次におすすめしたいのがヒノキです。
ヒノキは、美しい木目と淡く上品な色合いが特徴。
杉よりもすっきりとした印象をつくりたい場合に適しています。
また、ヒノキ特有の香りを感じられることも、無垢材ならではの魅力の一つです。
例えば、「市役所のエントランス」「受付カウンター周辺」「応接スペース」「会議室」「議会関連施設」「文化施設」など、落ち着きや品格を求める場所におすすめです。
ヒノキというと「和風」というイメージを持つ方もいますが、羽目板のデザインや板幅、塗装によって印象は大きく変えられます。
シンプルな空間に使用すれば、現代的で洗練された内装に仕上げることも可能です。
【カラマツ】
地域材としての可能性にも注目
3つ目はカラマツです。
カラマツは、特に寒冷地などで植林されてきた樹種で、地域によっては重要な森林資源となっています。
木目が比較的はっきりしており、杉やヒノキとは違った力強い表情を持っています。
「地域材を使いたいけれど、杉やヒノキとは少し違ったデザインにしたい」という場合にも、候補に入れたい樹種です。
そのため、「大きな吹き抜け」「エントランスホール」「多目的ホール」「図書館」「地域交流施設」など、木材の存在感を出したい場所にも向いています。
特に地域の森林資源としてカラマツが多く存在するエリアでは、地域材活用とデザイン性を両立する素材として検討する価値があります。
無垢羽目板は、一つ一つ表情が異なることや樹種による違いによって、色々なデザインが楽しめます。
教育施設のインテリアやデザインに合わせて、お好みの雰囲気や色味を選ぶことで、より快適で安心できる空間を求めることができます。
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市役所・庁舎で羽目板を使うなら、どこに取り入れる?
公共施設の内装すべてを木材にする必要はありません。
むしろ、「どこに木を見せるか」を考えることが重要です。
①エントランス・受付
施設の第一印象を決める場所です。
受付背面や壁面の一部に羽目板を使うだけでも、空間の印象は大きく変わります。
来庁者を迎える場所だからこそ、木の温かみを活かしたデザインが向いています。
②待合スペース
市役所では、手続きなどで待ち時間が発生することがあります。
長く過ごす可能性がある場所には、木の質感を取り入れることで、落ち着いた雰囲気をつくることができます。
壁面の一部や天井など、アクセントとして羽目板を使う方法もおすすめです。
③市民交流スペース
近年の公共施設では、行政手続きだけでなく、市民が交流できる場所としての役割も求められています。
木材を使ったテーブルや家具と羽目板を組み合わせれば、より居心地の良い空間を演出できます。
④図書館・文化施設
静かに過ごすことが求められる図書館や文化施設にも、木材はよく合います。
杉やヒノキ、カラマツの自然な表情を活かしながら、照明や家具と組み合わせることで、地域の人が長く滞在したくなる空間をつくることができます。
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公共施設向けの羽目板選びで確認したいポイント
公共施設で使用する羽目板は、一般住宅とは少し違った視点で選ぶ必要があります。
Point① デザインだけでなく、用途を考える
まず重要なのが「どこに使うのか」です。
壁なのか、天井なのか。
人が頻繁に触れる場所なのか。
多くの人が行き交う場所なのか。
使用環境によって適した材や仕上げは変わります。
Point② 板幅や木目の見え方を確認する
同じ樹種でも、板幅によって印象は大きく変わります。
細めの羽目板なら繊細な印象に、幅広の板なら木目を大きく見せることができます。
公共施設のように大きな空間では、実際に施工したときの見え方まで考えて選ぶことが大切です。
Point③ 節や色ムラも「木の個性」として考える
無垢材を使う場合、節や色の違いは一枚一枚異なります。
これは工業製品にはない木材の魅力です。
一方で、公共施設では「どの程度の節や色差を許容するか」を設計段階で確認しておくことも重要です。
Point④ 塗装・メンテナンスも考える
多くの人が利用する公共施設では、日常的なメンテナンスも重要です。
木材そのものだけでなく、塗装や仕上げについても、使用場所や維持管理の方法に合わせて検討しましょう。
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木材専門店だからこそできる用途に合わせた材種選び
さらに、羽目板の幅、厚み、節の有無、表面仕上げ、塗装などを組み合わせることで、同じ樹種でも違った印象になります。
木材専門店に相談するメリットは、単純に「木材を販売する」だけではありません。
【樹種の特徴、木材の性質、用途、施工場所、仕上がりのイメージなどを総合的に考え、適した材料を選ぶこと。】
それこそが、木材を専門に扱う立場だからこそできるサポートです。
特に公共施設のような規模の大きな建築では、使用量や納期、ロットによる色や表情の違いなど、事前に確認しておきたいことも多くあります。
設計・施工の初期段階から木材の専門家に相談しておくことで、よりスムーズな材料選定につながります。
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まとめ|羽目板で、地域に開かれた公共空間を
そして、地域で育った木材を使うことができれば、公共施設そのものが「地域材を知る場所」にもなります。
公共施設に木を使うことは、単なる内装デザインではありません。
地域の森林資源を活用し、地域の魅力を伝え、市民に親しまれる場所をつくる。
そんな意味でも、羽目板は公共施設・市役所・庁舎の内装材として、改めて検討したい素材です。
これから公共施設の新築・改修・リノベーションを計画する際には、ぜひ「どこに、どんな木を見せるか」という視点から、木材の活用を考えてみてはいかがでしょうか。
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送料や価格、出荷・納期についての案内やサービス、お問合せも受け付けております。
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コラム監修者からのメッセージ
監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)
木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。天然木材のフローリングも含め、羽目板やその他無垢材商品を、その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良いものを提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。