フローリングのシミの原因と予防する3つのポイント
「いつの間にかフローリングにシミができていた…」「掃除しても消えない」「せっかくの無垢材が台無しに…」そんな経験はありませんか?
フローリングは住まいの印象を大きく左右するインテリアの主役です。特に天然木材のフローリングは、自然な風合いや肌触りが魅力ですよね。ところが、その繊細な美しさがゆえに、水分や紫外線、生活の中のちょっとした油断でシミができてしまうことも多いです。
しかも厄介なのは、一度できたシミはなかなか消えないというところにあります。市販のクリーナーで落ちるものもあれば、張り替えが必要になるケースも少なくありません。
つまり、「どう予防するか」がとても重要なんです。
天然木フローリングを使っていると、「観葉植物の水が床に染みて黒ずんでしまった」「日差しが当たる部分だけ色が変わってしまった」など、いろんな失敗経験聞きます。

このページでは、そんな悩みを抱えるあなたに向けて、「フローリングにシミができる主な原因」と、「今日からできる3つの予防ポイント」をわかりやすく解説します。さらに、すでにシミができてしまったときの正しい対処法もご紹介!
天然木ならではのケア方法や、おすすめの床材情報もあわせてお伝えします。
【今回の記事のポイント】
✔️シミができにくいフローリングの扱い方がわかる
✔️張り替えの前にできるお手入れ・補修方法がわかる
✔️商品選びの参考になり、失敗や後悔を減らせる
初稿:2025/7/25
《目次》
・シミができる主な原因とは?
・シミを防ぐ3つの基本的な予防習慣
・シミが気になったときの対処法
・天然木材ならシミも怖くない?
・シミ予防は日々の工夫から
シミができる主な原因とは?
フローリングにできるシミは、日々の暮らしの中のちょっとした出来事が原因になることが多く、決して珍しいものではありません。
天然木材を使用したフローリングは、その美しさと引き換えに水分や紫外線、薬品などに対してデリケートな性質を持っています。
水分による黒ずみや膨張、紫外線による色ムラ、そして薬品やワックスによる変色など、シミの原因はさまざまです。それぞれの原因には特徴と傾向があり、適切に把握しておくことで予防もしやすくなります。
ここでは、代表的な3つのシミの原因について詳しく解説していきます。

水分によるシミの正体とは?
「コップの水をちょっとこぼしただけだから大丈夫」そう思って放っておいた結果、気づけばフローリングに黒ずみが…というケースは本当に多く見られます。
水分が木材の繊維に染み込むと、表面だけでなく内部にも影響を及ぼし、黒ずみ・膨らみ・カビといったトラブルを引き起こします。観葉植物の水受け皿から染み出した水、窓の結露、あるいはペットの粗相など、原因は多岐にわたります。
注意が必要なのが、気づかないうちに床が濡れていたというパターンです。洗濯機の下や加湿器の周辺などは盲点になりやすく、じわじわと床材にダメージを与えていきます。

水分によるシミを防ぐためには、そもそも濡らさない工夫と、濡れた際の即時対応が不可欠です。
日焼けでできるシミとは?
フローリングにとっての敵は水だけではありません。
見落とされがちなのが、紫外線による「日焼けシミ」です。日差しが差し込む窓辺などに長時間さらされたフローリングは、次第に色が薄くなったり、ムラが出たりして、見た目に大きな影響を与えます。

中でも厄介なのが、ラグや家具を置いていた場所だけ日焼けを免れ、取り除いたときにその部分だけ色が濃く残ってしまうパターンです。これにより、まだら模様のような色ムラが生まれ、「まるでシミのように見える」と感じてしまうわけです。
このタイプのシミは、見た目の問題である一方、天然木材のフローリングでは再塗装が難しい場合もあり、完全に元に戻すにはかなりの手間がかかることもあります。紫外線は1年中降り注いでいますから、日焼けによる劣化は常に進行中です。家具の配置を見直したり、レースカーテンやUVカットフィルムを活用することで、こうした日焼けによるシミのリスクを軽減できます。

化学薬品やワックスの影響は?
掃除をがんばっているつもりが、逆にフローリングを傷めてしまっているケースも少なくありません。その原因の一つが、化学薬品やワックスです。
市販のフローリング用ワックスや、汚れを落とすための強力な洗剤、さらには薬剤が染み込んだモップなどを使うと、表面の保護膜が溶けてしまい、ツヤがなくなる・変色する・一部だけ色が抜けるといった「化学焼け」が起こることがあります。
また、ワックスそのものが劣化して部分的にはがれてしまうと、シミのような見た目になり、掃除しても改善されない場合があります。湿度の高い時期や、塗布後にしっかり乾かしていないと、このようなトラブルが起きやすくなります。

意外なところでは、パーマ液や香水、除光液のような化粧品類が原因になることも。うっかり床に垂らしてしまうと、その成分がフローリングに染み込み、時間が経ってから変色という形で現れるのです。
つまり、日々のお手入れで使う洗剤やワックス、そして化学成分を含む日用品の取り扱いにも注意が必要です。天然木材のフローリングは「自然素材の優しさ」が魅力ですが、それゆえに、こうした人工的な成分とは相性が悪い面もあるということを覚えておきましょう。
シミを防ぐ3つの基本的な予防習慣
天然木のフローリングは、水や光、薬品にとても繊細な一面があります。だからこそ、「お手入れの習慣」「水分の管理」「紫外線から守る工夫」という3つの基本をおさえるだけで、驚くほど状態をきれいに保てます。続いては、それぞれのポイントについて具体的に解説していきます。

お手入れ習慣で清潔を保つコツ
フローリングを美しく保つには、掃除の仕方がとても重要です。
天然木のフローリングでは「水拭きをしないこと」が基本となります。水分が表面から染み込むことで、変色やシミ、さらには反りの原因になることもあるためです。
基本は、乾いた柔らかいモップや雑巾での乾拭き、汚れが目立つときは固く絞った雑巾で軽く拭く程度にとどめましょう。また、化学雑巾やスプレータイプのクリーナーは成分が強すぎてフローリングを傷めてしまうことがあるので、使用を避けるのが無難です。
さらに、半年に1回程度のワックスがけを習慣にすることで、フローリング表面に保護膜ができ、シミだけでなく細かい傷からも守ってくれます。お手入れは「負担にならない範囲で、続けられること」が最も効果的です。

水分トラブルを防ぐ生活動線とは?
フローリングのシミの多くは、実は「知らないうちに床が濡れていた」ことが原因です。
観葉植物の水受け皿があふれていたり、サッシの結露が床に落ちていたり、洗濯機や加湿器の下でじわじわと水が漏れていたりと、生活の中には意外と床が濡れるリスクが潜んでいます。
特に注意したいのは、ペットを飼っているご家庭や、小さなお子さんがいる家庭です。粗相や飲み物のこぼしは避けられないため、「床に直接置かない」「トレーや防水マットを活用する」など、濡れても大丈夫な環境を整えておくことがカギになります。
また、キッチンや洗面所など水を多く使うエリアは、天然木フローリングを避けるか、防水性能の高いコーティング材を使うことでリスクを減らせます。「濡れない動線づくり」こそが長持ちさせる最大の秘訣です。

紫外線からフローリングを守るには?
日当たりの良さは暮らしにとって嬉しいポイントですが、フローリングにとっては色あせや色ムラといったシミの原因になります。紫外線は目に見えなくても、じわじわとフローリングの色を変えてしまいます。
窓際に置かれた家具やラグマットの下だけ色が濃く残り、取り除いたときにまるでシミのような状態になってしまうケースは非常に多く見られます。これは自然劣化とはいえ、美観を損ねる大きな原因となります。
紫外線による日焼けを防ぐには、日差しを和らげる工夫が必要です。レースカーテンやUVカットフィルム、ブラインドなどを使って日光を直接当てないようにすることが第一歩です。
また、定期的に家具やラグの位置をずらして、光の当たり方を分散させるだけでも、かなり効果があります。

日当たりが良い家ほど対策が欠かせません。
紫外線からの「じわじわ劣化」を防ぐ意識を持つだけで、フローリングの寿命は大きく変わります。今一度、現在の家具の配置やフローリングの色褪せをチェックしてみてはいかがでしょうか?
早めに気付けることで、大掛かりな対処または工事を免れることができるかもしれません。
シミが気になったときの対処法
どんなに注意していても、うっかりできてしまうのがフローリングのシミです。
すぐに補修が必要か、まだ自力でDIYで対処できるかを見極めることが大切です。
原因やシミの深さによっては、クリーナーで落ちるものもあれば、張り替えが必要な場合もあります。ここでは、その判断基準と具体的な対応策をご紹介します。

市販のクリーナーで落とせるシミとは?
軽度のシミであれば、市販のフローリング用クリーナーで十分に対処できるケースもあります。
ペットの尿やジュースのこぼし跡、表面のワックスの変色など、「表層だけに影響しているタイプのシミ」は比較的簡単に落とせる可能性が高いです。
使用する際は、必ずフローリング対応の製品を選びましょう。

特に天然木の無垢材を使用している場合は、強い成分の洗剤は避けるべきです。
クリーナーは布に薄くつけて優しく拭き取り、こすりすぎないことがポイントです。原液を床に直接垂らすと、逆にシミや変色の原因になるので注意してください。
また、使う前には目立たない部分でテストを行うのも大切です。
万が一シミが落ちない場合でも焦らず、次の選択肢を検討しましょう。
張り替えやプロへの依頼はどんな時?
クリーナーで落とせないほど深く染み込んだシミや、黒ずみ・変形を伴うようなケースでは、自力での補修が難しい可能性が高いです。特に天然木のフローリングは素材そのものが染色されているため、内部まで浸透したシミは削っても完全には消えないことがあります。
「色だけでなく手触りや形も変わってきた」「何をしても改善しない」「範囲が広く、見た目が気になる」などの状況であれば、プロの補修業者やリフォームの検討が現実的です。
補修方法には、部分的な再塗装や張り替え、補修パネルの使用などがあります。最近ではワックスフリータイプなど、今後の手間を減らす素材に張り替える方も増えています。
費用が心配な方は、まずは専門業者に無料相談することをおすすめします。賃貸の場合など状態に合ったベストな方法や落とし方を提案してもらえるだけでなく、「今すぐではなく将来的に対処すべきか」の判断にも役立ちます。
天然木材ならシミも怖くない?
フローリングのシミに悩まされた経験がある方にこそ、天然木材のフローリングをおすすめしたい理由があります。
天然木は確かにデリケートですが、適切に手入れすれば驚くほど長く美しさを保てる素材でもあります。表面だけでなく中まで同じ素材でできているため、シミができても削って補修しやすく、再生性が高いのが特徴です。
また、表面がコーティングされていないオイル仕上げタイプの無垢フローリングであれば、部分的な汚れやシミにも柔軟に対応できます。「汚れたら終わり」ではなく、育てる床として、暮らしとともに味わいを深めていけるのが、天然木材ならではの魅力です。

天然木材.comでは、そうした素材の特性を活かした床材を豊富に取り扱っており、シミができにくい工夫や万が一の補修もしやすい設計になっています。
次のパートでは、その中でも特におすすめの床材を3つご紹介します。
天然木材.comのおすすめ床材3選
天然木材.comで取り扱うフローリングの中でも、シミ対策に優れているものや、補修性の高いものを厳選して3つ紹介します。それぞれの特徴や、どんな部屋に向いているかも簡単にまとめました。
まず注目したいのは「オーク(ナラ材)」です。木目がしっかりしており、表情豊かでありながら、傷や汚れが目立ちにくい特性があります。ナチュラルな仕上げであれば、表面のシミも磨いて補修しやすくなっています。
次におすすめなのが「ヒノキ」です。軽くてやわらかい素材ながら、防虫性・調湿性に優れ、和室や寝室にもぴったりです。優しい香りがリラックス効果も生み出します。
最後は「ウォールナット」です。落ち着いた色味と重厚感があり、紫外線の影響を受けにくい素材です。シミや色ムラも目立ちにくいため、日当たりの強いリビングなどにも最適です。



シミ予防は日々の工夫から
フローリングにできるシミは、生活の中のちょっとした油断や環境の変化からどこでも起こり得るものです。
しかし、今回ご紹介したように、原因を知り、正しい対処法や予防策を身につけることで、フローリングの美しさをぐっと長持ちさせることができます。
天然木材のフローリングは、一見デリケートに見えても、素材としての再生力や修復性が高いため、きちんと向き合えば長く愛着を持って使い続けられる素材です。日常のお手入れを丁寧に行い、濡れたらすぐ拭く、日差しを遮るなど、少しの心がけが大きな効果を生み出します。

また、シミができてしまった場合でも、慌てず冷静に状況を見極めれば、市販クリーナーで対応できることも多いですし、必要に応じて専門家に相談することで、無理なく空間を整えることができます。
あなたの住まいに、天然木ならではの温かみと美しさを取り入れてみませんか?
「天然木材.com」では、シミにも強く、使い心地のよい厳選フローリング材を多数ご用意しています。
ぜひ、この機会に理想の空間づくりにお役立てください。

天然木材.comは木材専門の販売店として、天然木フローリングだけではなく、壁に張る無垢羽目板や、デッキ材、内装の建具に至るまで、豊富な商品バリエーションをご用意しております。新築からリフォーム、リノベーションまでプロの建築の方々とも話せる知識を持ったスタッフが対応いたします。もし、商品に関連する質問や相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。
これまでも多くのお客様・業者様よりご支持をいただき、嬉しいことに全国各地からご注文をいただいております。木材専門店として、取り扱う樹種の豊富さやバリエーションには自信があります!ぜひ、無垢材の採用をご検討中の方は、インターネットの通信販売にて全国販売が可能な天然木材.comをご利用ください。
なお、建設会社・設計事務所・工務店などには特別仕切り価格にて、商品を提供しておりますので、材料選びにお悩みの方はお気軽に!
コラム監修者からのメッセージ

監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)
木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。天然木材のフローリングも含め、羽目板やその他無垢材商品を、その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良いものを提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。