床は無垢材が良い?張り替えについて解説
家の床は時間の経過とともに傷むので定期的に張り替える必要があります。
そこで心配なのが張り替えにかかる費用でしょう。
床の張り替え費用は、使用する素材や張り替えの施工(工法)によって変動します。
そこでここでは、床の張り替えに使われる素材の種類や、工法など張り替え時に費用を決める要素などについて解説していきます。
今回の記事のポイント
✓張り替えについての要素や費用がわかる。
✓フローリングの種類や人気樹種がわかる。
更新日:2023/5/25
初稿:2022/6/18
《目次》
・床の張り替えの費用はどんな要素で決まる?
・フローリングは無垢材と複合フローリング
・無垢材の種類には何がある?
・無垢材の選択肢は多種多様!
床の張り替え費用はどんな要素で決まる?
住宅の床の張り替え費用は様々な要素によって決まります。
それでは、どんな要素で費用が決まるのか、解説していきます。
要素①:素材
床に使われる素材には、フローリングや畳、クッションフロア、タイルカーペット、フロアタイルなどが挙げられます。
使用する素材によって必要な作業も変わるので、予算に合わせて素材を決める必要があります。
6畳程度の張り替え時に発生する費用相場は以下の通りです。
●フローリング・・・ 15万円〜20万円
●畳・・・ 7万円〜10万円
●クッションフロア・・・ 5万円程度
●タイルカーペット・・・ 5万円〜7万円
●フロアタイル・・・ 5万円〜7万円
また、張り替え前の素材が異なる場合、下地作業が必要になることがあります。
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例えば、畳からフローリングの場合、そのまま張り替えてしまうと歩いたときの振動がそのまま伝わってしまうので、1畳あたり3万円〜で下地工事を行うのが一般的です。
このように下地処理の費用も含めたうえで予算を立てましょう。
要素②:張り替え方法
床の張り替え方法は、重ね張りと張り替えの2種類があります。
重ね張りは元からある床材を剥がさずに上から新たに床材を張る工法を言います。
重ね張りの場合、床材を剥がす作業が必要無いのでその分工期も短く、費用も安く抑えられるのがメリットです。
しかし床材が古い場合、重ね張りをすると下にある古い床材が湿気などで縮んだり剥がれたりして、見栄えが悪くなってしまうことがあります。
そのため、床材がそれほど古くなく、傷が目立っている、デザインが気に入らないなどの場面に適した工法と言えます。
それに対して張り替えは、古い床材を剥がして新しい床材を張る工法を言います。
重ね張りと比べると、古い床材を剥がす分工期も長く、費用も高くつきやすいです。
ちなみに張り替えの場合、古い床材を剥がす費用は広さにもよりますが、3万円〜5万円ほどが相場となります。
張り替えは古い床材に質が左右されないのがメリット。
そのため、無垢材から無垢材の張り替えなどに適した工法と言えます。
リフォームにおすすめの無垢フローリングラインナップ
無垢フローリングと複合フローリング
フローリングの選択肢には無垢材と複合フローリングの2種類があります。
それぞれメリットとデメリットがあるので、部屋に合わせて床材を選ぶことが大切です。
それでは、無垢材と複合フローリングそれぞれの特徴や、メリット・デメリットについて解説します。
無垢材フローリング
無垢材は丸太をそのまま切り出して作った床材のことを言います。
無垢材のメリットは木の持つ自然の温かみを感じられる点です。
時間によって味が出ますし、高級感もあり、リビングや玄関など人が出入りする場所に使うのも良いでしょう。
また、無垢材には調温機能があります。そのため、無垢材だと冬場は暖かく、夏場は涼しく過ごせます。
加えて、無垢材はものにもよりますが柔らかいものが多いです。
万が一傷が入ってしまったときに修理がしやすいというメリットもあります。
ただ、無垢材は湿気を吸収しやすく、時間の経過とともに縮んだり、傷んだりしやすいです。
それ故に定期的な張り替えが必要となります。また、値段も他の床材と比べて高め。
特に高級と言われるヒノキなどは節の数によって価格が変動しており、節があるもの、節が小さいもの、節が上の方にあるもの、節がないものの順に価格が高くなっていきます。
その他にも、無垢材は一般的な洗剤を使って掃除をすると傷んでしまうことがあります。
ただ、お手入れをしないと無垢材ならではの質感が失われてしまうので、メンテナンスが大変な点にも注意が必要です。
複合フローリング
複合フローリングは、加工をした床材のことを言います。
複合フローリングは大きく分けると挽き板タイプ・突き板タイプ・シートタイプの3種類。
挽き板は薄く切った木材を化粧材で加工したものを言います。
複合フローリングの中でも挽き板が最も無垢材に近いです。
突き板は、基材に1mm以内の薄く切った木材を貼り付けたものを指します。
挽き板タイプと比べると無垢材からは少し離れてしまいますが、カラーバリエーションが豊富で、木材の木目は残しつつも無垢材では再現できない明るめの色合いのものが良い場面などに適しています。
そしてシートタイプは基板にシートを貼り付けたものを言います。
こちらは一切木材を使用していませんが、シートのデザインが多種多様で、大理石調なども選択可能。
デザイン性を重視して床材を選びたい時におすすめです。
複合フローリングのメリットは、加工が施されている分、木材が縮んだり、腐ったりすることが少ないことが挙げられます。
また、吸音性や耐衝撃性などに優れているものや耐アレルギー加工がされているものもあるので、事情があって無垢材が選べない場面でも活躍します。
ただ、複合フローリングは無垢材と比べると素材が硬めです。
木特有の温かみや柔らかさが感じられなくて後悔してしまう人もいます。
また、複合フローリングは硬いゆえに一度傷が付いてしまうと、張り替えないと修理ができません。
無垢材の種類には何がある?
無垢材に使われている木材は多種多様。中でも人気の高い種類を紹介していきます。
オーク(ナラ)
広葉樹でフローリングの床材として人気が高いのがオークです。
硬めで傷が付きにくく、床材以外にも家具など様々な用途で使われています。
価格帯はものによって様々です。
木目もきれいで、小さなお子様がいるなど、見た目と丈夫さのバランスが取れている床材を探している方におすすめ。
人気の種類なのでカラーバリエーションが豊富なのも魅力です。
パイン
パイン材はマツ科の木材のことを言います。
床材に使われている木材の中でも安価で、材質は柔らかいのが特徴です。
柔らかいゆえに小さなお子様やお年寄りがいる家庭からの人気が高い傾向があります。
パイン材は生産地によって色合いが異なります。
中でもホワイト系のパイン材は人気が高く、カントリー系など明るめな雰囲気の空間を作りたい場面でおすすめです。
スギ(杉)
パイン材と並んで比較的価格が安くて人気が高いのがスギです。
スギは白っぽくて柔らかいのが特徴。
傷が入ってもすぐに修理できるので、小さなお子様がいる家庭から人気です。
スギは国産も多く、安定して供給されており、世界情勢にあまり左右されないのもメリットでしょう。
また、節が目立つのもスギの特徴。
節が多い木は価格が安くなりやすいですが、スギの場合節が目立つことが逆に評価されやすく、安価で木目が目立つ素材を探している場合でもおすすめです。
サクラ(カバザクラ・西南桜・ブラックチェリー)
高級な木材として人気が高いのがサクラです。
節が少なく、木特有の温かみがありながらもスタイリッシュな仕上がりになります。
サクラと言っても本来の桜とは異なり、種類は様々で、カバ桜、チェリー、ブラックチェリーなどが有名です。
サクラの床材はピンクに近い色をしているのが特徴。
また、用途もたくさんで、家具などにも使われています。
そのため、部屋全体をサクラで統一して明るく上品にコーディネートしたい時にぴったりでしょう。
ただし、サクラはものによって色合いが大きく変わります。
サクラを床材に使う場合は事前に【無料サンプル】を取り寄せて色合いを確認してから決めると良いでしょう。
ローズウッド
香料の原料としても使用されるのがローズウッド。品種がいくつかあり、クスノキ科のものが代表的です。
節が少なくて高級感があるだけでなく、経年劣化も少ないことも高く評価されています。
古くから世界各国で家具や仏壇、楽器などに利用されてきました。
ローズウッドの赤みがかった色が特徴で、楽器などは人気があります。
重厚感があり、高級家具などとの相性も良く、部屋を全体的に豪華な印象にしたい時に適しています。
メープル
メープルはとても硬くて丈夫で、野球のバットやバスケットボールのコートにも使われています。
メープルは時間の経過による色の変化が大きいのが特徴。
最初は白っぽい色から、徐々に酸化して黄色みがかった色、最終的には飴色へと変わっていきます。
メープルは重厚感があり、特にスギやヒノキなど白っぽい色の家具との相性が良いです。
高級感がありつつも明るく温かみのあるコーディネートにしたい場面に適した床材でしょう。
マホガニー
世界三大銘木の1つ目がマホガニー。
白っぽい色から赤みがかった色まで様々な色があり、元々は家具に使われることが多く、高級感溢れる雰囲気と美しい艶や色合いによって、アンティーク家具でも人気が高いです。
それが今、床材や羽目板としても人気が上昇しています。
高級志向の層から人気が高い理由として挙げられるのが、リボン杢。
リボン杢とは光が当たった時に現れる縞模様で、これはマホガニー特有のものです。
光の当たり具合で見た目が変わる遊び心も欲しいときはマホガニーを選ぶと良いでしょう。
ウォールナット(ブラックウォールナット)
世界三大銘木の2つ目であるウォールナットはクルミの木のことを言います。
茶褐色〜黒っぽい茶色が特徴で、他の木では代用できないことから高級な木材として高く評価されています。
ウォールナットは部屋全体を高級かつシックにまとめたい時におすすめの床材です。
また、衝撃や摩擦に強いのもウォールナットのメリット。
定期的にメンテナンスをすれば数十年は持ちます。肌触りもとても良く、素足で歩くリビングにもおすすめです。
チーク
最後に紹介する世界三大銘木で木材の王様とも言われているチークです。
船にも使われるほどの丈夫さが特徴で、床暖房の上に敷いても劣化が少ないのがチークを選ぶメリットでしょう。
節が少なく木目も美しいので、玄関やリビングなど人から見える場所におすすめの床材です。
チークは耐久性もあり、水にも比較的強く、ナチュラルやカジュアル、シンプルに個性的なイメージなど、幅広く楽しむことができます。
さまざまなものに対応し、美しく味わいのある人気樹種です。
無垢材の選択肢は多種多様!
ここで紹介したように、無垢材の選択肢はたくさんあります。
そのため、予算や部屋のコーディネートに合わせて選ぶことができます。
価格帯も色合いも無垢材は多種多様。じっくりそれぞれの特徴や性質を理解して選択することが大切です。
予算だけでなく、子供が思いっきり遊べる部屋にしたい、インテリアはこの色でまとめたい、重厚感・高級感のある部屋にしたいなど、空間のコーディネートに合わせた床材を選んでください。
また、塗装を施した無垢材も多く、内装に合わせてオイルやウレタンなどの塗料を使用することで汚れにくくなったりもします。
オイルやワックスなどを表面をコーティングすることで隙間を減らし、黒ずみやカビなどからも守ってくれます。
弊社では、自然塗料も取り扱っておりますので、気になる方は参考にしてみてください。
監修者からのメッセージ
監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)
木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良い無垢材を提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。