無垢フローリングの塗装について
無垢フローリングには様々な樹種があり、それぞれ色味や質感、肌触りなどが異なります。
天然木の原木を使用していることから木本来の素材を楽しめることはもちろんですが、塗装を施すことでまた違った楽しみ方が出来ます。
塗装の中でもまた種類がいくつかあり、既に塗装をした状態で販売されているものも多く、その違いや特徴を知ることで購入する選択肢も変わってくることでしょう。専門用語もある中で、初めての方でもわかりやすいように今回は無垢材の塗装のタイプについてご紹介していきたいと思います。
更新日:2023/5/25
初稿:2021/6/12
何か塗装のことや木材や板、フローリングのことでご不明点やご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。無垢材の無料サンプルもございますのでお手元で確認することも可能です。
無垢材の塗装の種類について
それぞれの特性や見栄え、色なども塗装によっては変化します。ご自宅の空間のイメージや、理想のお部屋を想像しながら選ぶことがおすすめです。
1:UV塗装
UV塗装とは【ウルトラバイオレット】の略になり、紫外線を意味します。専用のウレタン系の塗料に紫外線を照らし、化学反応を起こします。それによって無垢フローリングの表面を硬化させる手法になります。
また、UVという言葉から紫外線カットが出来ると勘違いされやすいですが、そういった効果があるわけではありません。
ウレタン塗装もUV塗装と同じ括りでウレタン 樹脂を主成分とした塗料になります。
無垢フローリングの表面を保護する目的の塗膜用の塗装仕上げになります。無垢材の塗装の中でも一般的なものとして多く採用されています。
塗料の配合や紫外線を当てる時間を調整することにより艶を出したり、逆に艶を抑えることも可能で「ツヤなし」の商品もございます。下記写真はオーク材の無垢フローリングになり、UVウレタン塗装のツヤ消し商品となります。(写真の商品はこちら⇒オーク・ユニ/ツヤ消しフローリング)
塗膜系の特徴としては、表面に膜を張ることで、小さなキズや衝撃かた床材を守る効果があります。
湿度も通しにくくするので無垢材の特性でもある反りや割れ、曲がりなどを補強してくれます。しかし、膜を張ることで木が呼吸をすることも止めてしまうので調湿効果などの効果はあまり期待できなくなります。
また、表面をコーティングすることで天然木の質感や肌触りなどは薄れ、塗膜によって冷たく感じる場合もあります。見た目の視覚的にはUV塗装の透明の膜により、ツヤがありキレイなテカりで木目や色味が鮮明になります。他にも同類の塗料でいくとポリウレタン塗装やラッカー仕上げなどがあります。
2:自然塗装・自然オイル
UV塗装の塗膜系仕上げとは異なり、無垢材の調湿効果を活かすことが出来るのが自然塗装になります。
自然塗装は天然の油性 成分や蜜蝋などを原料に配合した塗料になります。無垢材の天然木と同様の自然由来のものになるので相性も抜群で安心です。
床材の無垢フローリングを天然成分で優しく保護し、木材の乾燥や耐水性の弱さをカバーしてくれます。
また、日常生活で付いてしまった傷も馴染みやすく、目立ちにくくしてくれるのが嬉しいです。ただ、UV塗装と比べ傷や衝撃に強くなるわけではないので同等の耐久性があると勘違いされては困ります。
耐久性もあり腐りにくく、シロアリに対しても抵抗力を持った優れた木材です。
色味も赤褐色から茶色、黒や紫といったバリエーションに富んでおり、様々な表情を楽しめ、経年変化によって飴色に変化することで高級感も味わえます。
右記写真や下記写真はアカシアを使い内装を施した事例になります。
自然塗装は健康配慮した商品が多く、何度でも手軽に、繰り返し重ね塗ることができます。自然塗料によって無垢フローリングの自然な杢目を際立たせる効果もあり、自然派と言われる方々が増えた昨今では取り扱われる塗料の種類も利用もかなり増えてきました。
ドイツやスウェーデンなどの環境基準が高い国から輸入される製品も多く、オスモやリボスなどが代表的です。日本でも自然派志向の考え方が増え、環境に配慮した製品や材料が見直されてきています。
気になる木材をお手元で触ってみたり、香りを感じたりすることが出来る無料サンプルでまずは実感してみませんか?お気軽にお問い合わせください。
3:無塗装
無塗装はその名の通り、塗装を一切施さない床材のことになります。一般的には上記でご紹介したようなものを施工する場合が多いですが、現在は趣味趣向が多様化していることや、先ほどおもお話した通り環境配慮や自然派の方が増えたことで無塗装のものの需要も高まってきています。
着色をしないことによって、無垢本来のそのままの質感や肌触り、香りなどを楽しめて共に経年変化をしていくことで愛着も湧きます。下記写真はカバザクラの無塗装の商品になります。
無塗装の場合、日焼けや酸化が懸念されることもありますが、一定の期間を過ぎると茶色や褐色へと変化します。無塗装ですから素足で触れた際の肌触りは柔らかく温もりを感じることができます。
また、木が呼吸をすることで自然の調湿効果も期待でき、ヒーリング効果も持ち合わせています。
ただ、無塗装であることから表面のキズや汚れ、傷みなどは目立ちやすい特徴があるので、それも個性の一つと捉えて採用することオススメいたします。
腰壁との相性も良く、カバザクラの淡くキレイな色味が趣を出しています。無塗装でありながらも木のツヤが美しく、写真でも肌触りの良さが伝わってきます。
無垢材の塗装別 メンテナンス
それぞれによってお手入れや補修の方法も多少異なりますので、無垢材を選ぶ際にはメンテナンスについても知っておく必要があります。無垢フローリングは後になってメンテナンスが大変なイメージを持たれやすいですが、しっかりメンテナンスをすることによって通常の床材よりも長期的に維持することが可能になります。
■ UV塗装の場合
合成樹脂によって床材の表面を硬化した塗膜で覆う塗装になり、UV塗装やウレタン塗装と一般的には言われます。塗膜のお陰で熱や湿度から守られるので耐久性が強く、日頃のメンテナンスも比較的簡単に行うことができます。
- 日頃のメンテナンス
毎日のお手入れとしては家庭の掃除機やクイックルワイパーなどで塵やゴミを取り除く程度で大丈夫です。
表面に気になる汚れがある場合には乾いた雑巾などで乾拭きしてください。
水拭きでないと取れないような汚れの場合には水気を硬く絞って表面を拭きあげ、水分が残らないように乾拭きも行いましょう。洗剤などを使用する時は中性洗剤お薄め、水拭き同様の作業を行ってください。
- 定期的なメンテナンス
UV塗装の場合には硬い表面なのでワックスなどは基本的にいりません。
逆に光沢を維持したくどうしてもワックスをしたい時にはウレタン塗装向けの商品を使用しなければなりません。専用のものでないと塗膜が剥がれたり、変色する恐れがあるので注意が必要です。
■ 自然塗装の場合
浸透系と言われる自然塗装は床材に馴染ませることで表面を美しく保ち、保護します。UV・ウレタン塗装などとは違って家具のように自然な仕上がりが特徴的です。UV塗装のようにキズや衝撃に強いわけではないですが、塗膜をサンドペーパーなどで研磨することで何度でも無垢の美しさを取り戻し、diyにて専用のニスやスプレーで再塗装することが可能です。
- 日頃のメンテナンス
こちらもUV塗装と同じように、ホコリやゴミを掃除する程度で大丈夫です。乾拭きもおすすめですが、水拭きは自然塗料が取れてしまう可能性があるので控えてください。
- 定期的なメンテナンス
自然塗装は一般的に数年に一度の頻度で再度、塗布することことで持続的に美しさを保つことができます。
しかし、よく使用する箇所はすり減っていくケースがあるので、その時は部分的にメンテナンスをすることで補えます。
■ 無塗装の場合
無塗装の無垢フローリングを購入した際にも施工時に保護塗料を業者が施工するのが一般的とされています。その際のメンテナンス対応は自然塗料と同様と思っていただいて結構です。自然由来の成分によって無垢材の自然な艶や美しさが増し、木材の木目や節がキレイに見えます。
自然塗料と同じく、水拭きやワックスなど水分を含むものの使用は避けてください。水分によって無垢材の割れやシミの原因になり兼ねません。
以上が無垢フローリングの大まかなメンテナンスになります。塗装によって効果や特徴も違いますし費用も異なり、それぞれの良し悪しがあります。無垢材は基本的に長期で楽しむものとされ、長く無垢材の良さを引き出したい場合にはメンテナンスは欠かせないものとなります。
塗装の種類も好みや生活スタイル、環境などによって選択は変わります。メンテナンスも含めて住宅に合ったものを選んで後悔のないようにしてください。
無垢材のこと、フローリングのこと、塗装やメンテナンスに於いても、何かご不明なことやご質問・ご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。また、無垢材の無料サンプルでインターネットの通販などでは感じることができない質感や香り、色味などをお手元でご覧になってみてください。