集成材と無垢材について
無垢材は弊社でもメインで取り扱っている木材になりますが、集成材について皆さんはご存知ですか?
そして無垢材と集成材は何が違うのか?ご存知な方は少ないと思います。
今回はそんなところを皆さんにご紹介していこうと思います。
【今回の記事のポイント】
✓集成材と無垢材の違いや特徴がわかる。
✓それぞれのメリット・デメリットがわかる。
更新日:2023/11/24
初稿:2021/2/3
《目次》
・集成材とはどんな材か?
・集成材と無垢材の違いについて解説!
・無垢材と集成材のそれぞれの特徴
・互いのメリット・デメリット
・集成材と無垢材についてのまとめ
集成材とはどんな材か?
集成材の始まりは1930年くらいから欧米で開発があり、アメリカでの製造が開始されました。
日本に来たのはその20年後ほどあとで、建材用として用いられたのが最初と言われています。
その後、日本においても製造や開発が進み、現在のように安定した品質が認められ、集成材としての需要も普及していきました。
集成材は小さく切り分けられた木材を乾燥させ、接着剤などで組み合わせた人工木材になります。
強度や品質においては品質チェックなどをしてから販売をしているので保証があります。
人工木材ですから扱いやすく、多くの工務店や住宅メーカーなどにも選ばれています。
また、集成材は細かな材や、利用価値の低い端材なんかも利用して製造するので環境にも優しいエコ素材です。
無垢材と違って木目や節目などを気にせずにカットすることが出来るのも集成材のいいところかもしれません。
どちらも身近な存在であることは間違いないですし、各方面で目にしているものも多いです。
例えば、集成材が使われるのはテーブルや椅子を含めた家具全般が多いですが、最近では電化製品と組み合わたものなども出てきています。
小さいものだと木のお皿なんかもその一つです。
知らないだけ、気付かないだけで、私たちの暮らしには浸透しています。
今までは建築用材としてがメインだった木材も幅を広げ、日常になくてはならない存在になりつつあるかもしれません。
集成材と無垢材の違いについて解説!
では、無垢材と集成材の違いはどんなところにあるでしょうか?
上記でも述べたように一番の違いは、天然か人工かというところだと思います。
無垢材は天然の原木をそのまま使用するので自然味溢れる木材になります。
一方、集成材は人工木材ですから綺麗な見た目と狂いなどがなく、使い勝手のいい木材です。
ちなみに、よく耳にする合板ですが、よく集成材と間違われることがあります。
しかし、集成材と合板は別物になります。
合板は桂剥ぎのように薄くスライスした単板を乾燥させ、それをいくつか繊維方向が直交するように積み重ねて、接着剤で貼り合わせた材料となります。
無垢材と集成材のそれぞれの特徴
◆ 風合いや高級感、快適性などに適した無垢材
無垢材の魅力は何と言ってもその風合いです。
原木をそのまま使用するので木の質感や表情がとても良くわかり、同じものがありません。
そのため、デザイン性の高さや高級感を求める場合には最適な木材でしょう。
また、天然木ですから調湿効果やヒーリング効果など人や家にも優しい素材です。
無垢材をふんだんに使用したリビングやダイニングは木の温もりや癒しが感じられるので、長い時間を過ごす場所にはかなりおすすめ!
家具だけでなく、天井に羽目板を使用したり、床のフローリングを無垢材にすることでお部屋の雰囲気も各段に変わります。
◆ 用途によって使い分け!使い勝手の良い集成材
ひとつは、構造用集成材と言って強度が高く、住宅の柱や梁、土台などにも使用されています。
JASの規格に基づいて製造されているので様々な要件をクリアし、安全で安定した材料と言えるでしょう。
もうひとつは、造作用集成材と言って、見た目の美しさをメインにしているのでダイニングテーブルや階段、框(かまち)、和室用の建具などでも使用されます。
今では様々な樹種や加工、塗装によって選べる木材が溢れています。
日本の代表的な檜や杉以外にも、国外から入るパインやアカシア、オークなどデザインやテイストによって選べるので用途と合わせて選択することが可能になりました。
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互いのメリット・デメリット
【無垢材】は先ほどもお伝えした通り、原木をそのまま使うので自然の風合いが魅力です。
一方の【集成材】は人工ですから、無垢材に比べ使い勝手や加工性に優れています。
どちらもそれぞれに良さや特徴があり、一概にどちらが優れているとは言えませんが、用途や使い方によって選んで利用するのが賢い選び方になるでしょう。
◆ 無垢材のメリット
① 美しい木目と経年変化を楽しめる
無垢材の魅力はその美しさ。木の種類によって木目も違います。
この色々な木目の表情が、室内に温もりを生み出してくれます。
ダイナミックなものもあれば、きめ細かく繊細な木目もありますし、色合いもそれぞれの樹木によって違います。
何一つとして同じものがないのも個性的な特徴になります。
また、無垢材は長期的な使用によって経年変化を楽しめます。
使い込むほどに味わいを増し、深い飴色になったり、シルバーグレーになったりと一緒に年を重ねることが出来ます。
その分、愛着も湧き、無垢材の存在価値は高まるように感じます。これは集成材では味わえない魅力のひとつです。
そして、コーティングなどをせず、オイルで仕上げた場合などはその手触りも楽しめます。
木独特の質感を触って温もりをより一層感じることができます。天然木は肌にも優しく、癒し効果にも繋がるのでお子様がいても安心です。
② 身体に優しい天然素材で調湿性とヒーリング効果
無垢材は接着剤などの化学物質を使用しないことで、身体にも自然にも優しいとされています。
また、木が持つ元々の性質から調湿効果も期待できます。
木は呼吸をすると昔からよく言われてきましたが、湿度が高い日には湿気を吸収し、乾燥している日は水分を放出して湿度を一定に保とうとしてくれます。
そして、木の癒し効果としてヒーリング効果も期待できます。
皆さんも木材を中心に使用した住宅やロッジなどに足を踏み入れた際に、木の香りを感じたことはありませんか?
まさに、あの香りがヒーリング効果をもたらします。
ですからリビングや寝室など、癒しを求める箇所で多く使用すると落ち着いた気持ちで安心・快適に過ごすことができるでしょう。
木の持つ性質や温もりは、目では見えにくいですが、住んでみると肌感覚でわかります。
こうした無垢材の良さや希少性の高さなど含め、人気がある無垢材です。
◆ 集成材のメリット
①定していて扱いやすい
木材は使う部分や種類によって強度や、しなやかさが違います。
集成材は木の性質を見極め、バラつきがないよう加工するので品質も、強度においても安定しています。
逆に言うとそういったところの規定がクリアにならなければ販売することが出来ないです。
加工するので乾燥も行き渡り、湿気にも強いと言えるでしょう。
また、木材を接着しているので幅や厚み、長さなども調節することが簡単で、大量に同じサイズのものを生産するのに優れています。
よって各方面において扱いやすい木材と言えます。
それに加え、表面に化粧板をつけることで見た目をよくすることも可能なのでデザイン性においても利点があると言えるでしょう。
② ひび割れや反りが出にくい
上記のように加工し製造をしているので水分も無垢材に比べると少なく、ひび割れや反りの発生が少ないです。
小さな木材を組み合わせて製造しているので、材料が小さい分、乾燥がしっかり出来るのが理由の一つです。
ひび割れや反りが出てしまうと隙間が出来たり、併用している素材にも影響が出る可能性がありますが、そういった面を含めると建築用材などには最適かもしれませんね。
◆ 無垢材と集成材のデメリット
【無垢材のデメリット】
- 扱う際に技術が必要
無垢材はそれぞれに異なる性質を持ちますから、その特徴などを知っていないと扱いが難しい場合があります。
木の性質をよく理解し、適切に扱えるのが望ましいです。
これを理解せずに扱ってしまうと、後々のひび割れや反りが起こってしまう可能性があります。
それでなくとも、原木を利用する無垢材は、集成材に比べるとひび割れや反りが起こりやすいです。
ひび割れや反りがを最小限に抑えるには十分な乾燥が必要です。
販売に至るまでの間に長い日数を掛けて乾燥させることで良質な原木となるでしょう。
- 木の伸縮が見られる
これは、上記のひび割れなどにも関わることですが、無垢材は天然木ですから呼吸をします。
よって調湿効果がもたらされるメリットもありますが、その反面、伸縮によって隙間が出てしまう可能性も。
表裏一体といったところですが、木材も伸び縮みをするのでその際に隙間や反りが起こってしまう場合があります。
しかし、昔からの日本建築では木の呼吸をも見越して建築をするので、大工の腕の見せ所になります。
木の特徴も全て含めた上で組木や板張りをしていきます。
昔の大工さんのような職人技が必要となりますが、現在ではそんな職人技を持っている大工さんは少なくなる一方です。
こういった無垢材を扱うことが出来る人が減少していき、集成材のような材料が重宝されるようになりました。
【集成材のデメリット】
- 耐用年数が短い
集成材の寿命は使用されている接着剤の寿命によると言われています。
接着剤は人工物ですから、自然のものに比べると劣化が早い傾向にあります。
また、集成材の始まりは無垢材に比べるとまだまだ浅いです。
昔からある日本家屋や建築物においての使用も中々見られず、実績データが取れないのも耐用年数が短いと言われる理由のひとつかもしれません。
ただ、技術は確実に進化し、使用する接着剤などの化学物質においても改良がなされているので数十年単位での使用は見込めると思います。
- 身体に悪影響?
集成材に使用されている接着剤の中にはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドが含まれているものも存在します。
しかし、安全基準が設けられたことできちんと品質チェックを行いますので、懸念するほどでもないと思います。
また、このホルムアルデヒドを出さない接着剤もありますので一概に身体への悪影響があるとは言い切れません。
- デザイン性に欠ける?
これは好みにもよりますが、集成材は木材を集めて成形したものになりますから、無垢材に比べると木材の表情が豊かとは言えません。
結集した木材の板といった感じなので自然味が溢れるというよりかは、綺麗な化粧板といった感じでしょうか。
個性的なデザインや、自然派が好みの方には不向きかもしれませんね。
しかし、集成材であっても表面に新たに化粧板を貼り付けることは可能なので、お好みの色味や風合いを選んで集成材独特の雰囲気を消すことはできます。
逆に、集成材のような風合いが好きな方もいらっしゃいますので、これに関しては完全な好みになるでしょう。
集成材と無垢材についてのまとめ
以上が無垢材と集成材の違いについてになります。
無垢材の良さと集成材の良さはそれぞれに違います。
双方、特徴やデメリットもありますから、用途に合わせて選ぶことで最適な使い方が出来るんじゃないかと思います。
例えば、住宅で長い時間を過ごすリビングなどには無垢材を多く使用し、フローリングや羽目板で温もりを感じ、キッチン廻りや収納棚などには集成材を使用するなどすることで、こだわりとコスト面においてもマッチした住宅造りが出来るのではないでしょうか?
やはり、天然木を使用する無垢材は集成材と比較すると価格は上がってしまいます。
しかし、唯一無二の存在であったり、無垢材の醸し出す雰囲気に集成材は敵いません。
上手に使い分けることでお互いの良さを尊重しつつ、快適な暮らしが手に入るような気がします。
また、沢山の種類がある木材ですから樹種によっての特徴も変わってきます。
そういいたところも含めて考えることにより、自分たちらしさが出る家や、隅々までこだわった家が完成します。
想い入れが強いと愛着も湧き、より一層大切にすることが出来ますよ!
是非、皆さんだけのこだわりが詰まったお家づくりを楽しんでくださいね!
木材のことなら何でもご相談ください。お問合せやご質問もお気軽にご連絡くださいね!