ブラックウォールナット材について
ブラックウォールナット(Black Walnut)とはクルミ科の落葉広葉樹のことを言います。
「ブラックウォルナット」とも言われますが、クルミ=ウォルナットなのでクルミ材のことになります。
今回はこのウォールナット材についてご紹介していきたいと思います。
【今回の記事のポイント】
✓ウォールナット材の特徴や用途がわかる。
初稿日:2020/09/30
更新日:2024/1/27
《目次》
・ブラックウォールナットとは?
・ブラックウォールナットの特徴について
・ブラックウォールナットの施工事例
・複合フローリングで良さを気軽に!
・~番外編~時代を魅了した木材
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まずはお手元で本物のブラックウォールナット材を実感してみてはいかがでしょうか?
ブラックウォールナットとは?
ウォールナット材は主に北米産のものが多いです。
ヨーロッパなどでよく目にする家具材の中でも【マホガニー】や【チーク】と並び、落ち着いた色合いと重厚感ある木目などから世界三大銘木として古くから愛されている木材です。
実際にクルミの実がなり、リスなどの野生生物の大切な食糧となっています。
歴史も古く、17世紀頃からヨーロッパの家具市場ではイギリスデザインのウォルナット製の家具が圧倒的な人気を誇り、歴史の中では「ウォルナット時代」なんて言われることもあります。
確かに、イギリスの家具なんかはウォルナットのように深みがある家具が多いような気がします。
古くから愛され続け、それがいつしか受け継がれ、なんとも言えない味を出すウォルナットは未だに人気の木材になります。
数々の豪邸や、アメリカ大統領の指揮台や最高裁判所のベンチなど幅広く使用されてきたウォルナット。
実は、あの有名なミラノ大聖堂にも使用されてるんだとか…これを聞いただけで何だか価値がある木材のように感じます。
最近はブラックウォールナットと同じような色合いで、マメ科の広葉樹の「アジアンウォールナット」というのが出てきていますが、こちらはブラックウォールナットとは全く違った木材になります。
元々、ブラックウォールナットは植林ではなく、自然の樹木を利用していました。
自然界で成長した木を伐採し、加工するので大量にというわけにはいきませんし、樹木が成長するのまでの時間も要します。
そのため、住宅用建材や家具材として貴重に扱われ、高級志向にもなりました。
何百年も掛けて成長するウォルナットの木の周りには雑草が生息出来ないとまで言われるほど生命力も強く、一説によると根周りから毒素を排出して自身を守っているのでは?という説もあるようです。
確かに、種類によって紫がかったようにも見えるウォルナットのダーク色は、他とはまた違った感じにも見えるかもしれません。
ブラックウォールナットの特徴について
続いては、ブラックウォールナットの特徴や用途について詳しくお話していきます。
これを知ってブラックウォールナットの人気の理由がわかるかもしれません。
ブラックウォールナットの材質
材質は強度が高く、重硬で、粘りもあり、衝撃などにも強い性質をもつ為、銃床としても使用されてきたんだとか。
その為、フローリングとしても非常に適していて、艶出し加工をすることで美しく仕上がります。
狂いも少ないので加工もしやすくフローリングだけには留まらず、ハープやピアノ、そしてエレキギターなどの楽器にも幅広く使用されます。
ギターでは有名なTaylorやGibsonでもこのブラックウォルナットを使用しています。
また、木肌は使い込まれれば込まれるほどに磨きがかかり味わいを出していきます。
やや粗さもあるもののペンキやニスなどを塗っても馴染むので長年使い続けるようなものには重宝されます。
ブラックウォールナットの色味
木材の中心部(心材)と木材の外側部分(辺材)との区別は明瞭で、辺材に関しては乳白色から灰紫色。
心材に関しては、紫色を帯びたような薄褐色から濃褐色で不規則な濃淡の縞をもっていることが多いです。
木材は日に当たると日焼けのように色が濃くなることが多いが、ウォルナットに関しては逆に色が薄くなります。
明るい木材で言うと【パイン】や【ヒノキ】【メープル】などがありますが、濃い色の木材の代表はウォルナットが一番だと言えるでしょう!
まさにこのダークな色味が高貴な深みや重厚感を出し、数百年と時を重ねても経年変化で質が落ちないモダンな空間を演出してくれます。
全てのフローリングや家具をウォルナットで仕上げた洋館などは今でも存在感のある建物として残っていたり、イギリスが舞台の映画やストーリーにも起用されることが多いです。
それでこそ、17世紀以降のヨーロッパが舞台であれば尚更です。
長い時間と共に味わいを増し、アンティークやヴィンテージ感のあるものへ変化するウォールナット材は今もなお、人気の高い商品です。
ブラックウォールナットの用途
木目が美しく、深みのあるその存在感に古くから高級家具や工芸用品として使用されてきました。
また、家具屋フローリング以外にも楽器に使用されるなど、高貴な人々に愛されてきた樹種でもあります。
衝撃に強いことでドアや、造作家具などにも使用されるようになり、現在でも幅広く使用されています。
中でもやはり人気なのは無垢フローリング!
今ではカジュアルな雰囲気での利用が好まれ、若い世代にも好評の木材になります。
ブラックウォールナットの施工事例
リビングのフローリングに使用!
シックなブラックウォールナットに白い家具が映えてシンプルモダンな空間に。
ブラックウォールナットの濃淡が光によって表情を変え、昼と夜、照明によってもガラリと雰囲気を変えられます!
採光性のいいお部屋でも、落ち着きのある空間となります。
濃いダーク色が白い家具と合わさるとシンプルモダンな空間になりますが、原色やアースカラーなどにも実はマッチします!
また、床がダーク色になることで、室内が全体的にしまって見えます。
大人ラグジュアリーな感じが出ていて、高級感を彷彿とさせます。
ホワイトはもちろんですが、ブラックやグリーンとの相性も抜群!
複合フローリングで良さを気軽に!
無垢フローリングは自然そのままの原木を使用した1枚板とされ、木材を良さを全面に感じられるフローリングです。
一方で、樹種によっては大量生産が難しかったり、種類によって価格が異なったりすることも。
その為、住宅のフローリングとしてよく使用されるのが【複合フローリング】になります。
複合フローリングは、基材の表面に化粧材を貼り合わせるので種類も様々。
使用される木材や種類での価格幅は少なく、バリエーションも多いのでお気に入りの風合いや木材の良さを手軽に選ぶことができます。
しかし、いざ目の前に沢山のフローリングがあると迷って中々決められませんよね…そうならないために!
色んな写真やデザインを見て自分の好きな雰囲気やテイストを知ること。
そして、長く住む家になるので将来的にも飽きの来ない、馴染むような素材を選んでいくことが大切です。
自分のお家のコンセプトを決めるのもおすすめ!
~番外編~時代を魅了した木材
17世紀後半にイギリスにおいて、王政復古によりチャールズ2世がイングランド王と即位します。
チャールズ2世は陽気な王様として有名で、社交会や芸術などを愛した博識ある国王でした。
このチャールズ2世の時代から、ウォールナットが大々的に発展していったようです。
ウォルナット材は当時の家具職人からも好んで使われていました。
それまではオーク材が一般的で生産も多かった中、ウォルナットの自由で精密な造作が可能な性質によって、曲線を造作できるようになりました。
その為、今で言う猫足というようなデザインが流行りだしたのもこの頃のようです。
この美しい曲線によって高貴な印象を与えたり、富の象徴としても王族や貴族から愛されました。
これが俗に言う「ビクトリア調」や「ロココ調」というような流行になりました。
その後の勢いもすごく、ヨーロッパの家具市場ではこぞってウォルナット家具を買い求め、職人たちも自分たちの腕を競うように新たな造作家具を造りだしていました。
これが後に【ウォルナット時代】と言われるようになります。
当時はヨーロッパに限らず、世界のあらゆる地域で社会不安や混乱が多く、学校の世界史で学ぶような危機や事件も多かったです。
しかし、少しづつ時代の経過と共に経済や社会が安定し、貿易も盛んになりました。
貿易が盛んになったことで、他国の物資や技術、文化などが入ってくるようになり、色々な物や情報が溢れていき、ウォールナット家具も世界に広まっていきました。
新しい文化や物というのは、こういった時代背景があるからこそ生まれるのかもしれません。
そう考えると、ロマンがあり、アンティーク家具の価値もわかるような気がします。
いかがだったでしょうか?ウォールナットについて理解を深めることはできましたでしょうか?
昔も今も変わらず、木材というのは生活に欠かせないものです。
さまざまな種類や商品がある中で、自分たちの理想のお家に適したものを選ぶことで、その後の生活や暮らしも豊かに感じることができるでしょう。
天然木材.comは木材の専門店です。豊富な商品ラインナップとバリエーションをご用意しております。
まずは【無料サンプル】にて、お手元で無垢材の良さを実感してみてください。