フローリング床鳴りで失敗しない素材選びのポイント
「パキッ」「ギシッ」…そんな音に、ふと足を止めたことはありませんか?
せっかくお気に入りの床を選んだのに、使い始めてから気になる「床鳴り」。その多くは素材選びの段階で防げるってご存知でしょうか?
このページでは、床鳴りの原因から素材ごとの違い、施工時の注意点まで、フローリング選びで失敗しないための知識をまるごと解説します。特に、天然木材.comが取り扱う無垢材や天然木フローリングのメリットと注意点についても、実例を交えてご紹介します。

【今回の記事のポイント】
✔️床鳴りが起こる仕組みと主な原因がわかる
✔️無垢材や合板など素材ごとの床鳴りリスクがわかる
✔️床鳴りしにくいフローリング選びのコツがわかる
初稿:2025/7/24
《目次》
・床鳴りの知っておきたい基礎知識
・床鳴りは素材で差が付く!リスク比較
・床鳴りを防ぐための施工と設計ポイント
・無垢材は床鳴りしやすいって本当?
・フローリング選びにおすすめの商品
・フローリング選びには素材理解が鍵!
床鳴りの知っておきたい基礎知識
「フローリングの床鳴り」とは、床を歩いたときに「ギシッ」「パキッ」といった音が鳴る現象を指します。これは木材が伸縮したり、床材や下地との接触部分が摩擦を起こすことで発生します。
一度鳴り始めると生活音として気になりやすく、精神的なストレスになるという方もいらっしゃいます。
床鳴りの原因はさまざまですが、素材選びや施工方法に左右される部分が大きいのが実情です。まずは、床鳴りの仕組みを正しく理解することが、失敗しない床選びの第一歩です。

床鳴りの仕組みと発生のメカニズム
床鳴りの大きな原因は、木材の性質(伸縮・反り)と下地材や接着剤との摩擦です。
例えば、天然木のフローリングは湿気を吸って膨張し、乾燥すれば収縮します。この動きが繰り返されるうちに、木材同士がこすれたり、釘・ビスとの接触部分にすき間ができることで、「パキッ」「ミシッ」といった音が発生するのです。
また、床材と床下の構造(根太や合板など)との間にわずかなズレが生じた場合にも、音が鳴ることがあります。特に、接着不良や下地の不陸(でこぼこ)があると、床鳴りの頻度が高くなりやすいです。
つまり、床鳴りの発生には「素材の選び方」と「施工の精度」が深く関係しているのです。

床鳴りの音の種類と症状の見分け方
床鳴りと一口に言っても、その音や頻度にはパターンがあります。
「パキッ」「パンッ」と乾いた音がする場合は、木材の乾燥や収縮によるひび割れ・摩擦が原因のことが多く、気温や湿度の変化で発生しやすい傾向があります。一方で「ギシギシ」「ミシミシ」と低くこもった音が続く場合は、床下の構造材や釘のゆるみが影響している可能性が高いです。
また、音の出る位置が毎回変わるのか、同じ場所で鳴るのかによっても原因の見極めが変わります。
同じ場所で鳴るなら素材や施工の問題、場所が変わるなら湿度や構造全体の問題の可能性もあります。症状を観察することで、より的確な対応や予防策を考えることができます。

床鳴りは素材で差が付く!リスク比較
床鳴りの発生には、「どんな木材を使っているか」が大きく関係します。
天然木(無垢材)と合板フローリングでは、音の発生しやすさや湿気への反応がまったく異なります。木材の性質によっては、床鳴りが起こりにくい樹種もありますし、逆に気をつけないと音が鳴りやすい素材も存在します。ここからは、素材によって床鳴りリスクがどう変わるのかを比較しながら見ていきましょう。

天然木材 vs 合板フローリングの特徴と違い
まず、床材の種類には大きく分けて「無垢フローリング(天然木100%)」と「複合フローリング(合板+表面材)」の2種類があります。無垢材は一本の木から切り出した自然素材なので、季節や湿度によって微細に動き、床鳴りの原因となることもあります。
ただし、それは木の呼吸ともいえるもので、調湿効果などの恩恵も大きいです。
一方、複合(合板)フローリングは構造が安定しているため、伸縮が少なく床鳴りしにくい特徴がありますが、木の質感や温かみは無垢材に比べて劣ります。見た目や足触りにこだわりたい方には無垢材が適していますが、メンテナンスやコスト面で選ぶなら複合(合板)も選択肢に入ります。
項目 | 無垢フローリング (天然木) |
複合フローリング (合板材) |
---|---|---|
床鳴りの発生しやすさ | ○ 伸縮により音が出やすい |
◎ 構造が安定していて鳴りにくい |
木の質感・温もり | ◎ 自然そのものの肌触り |
△ 表面材により異なる |
メンテナンス性 | △ 定期的なオイル塗布などが必要 |
◎ 表面加工で手入れしやすい |
価格 | △ やや高め |
○ 手軽な価格帯も多い |
表で比較してみると以上のような違いが見られます。
どちらもメリット・デメリットがあり、選択の優先順位によって異なるかと思いますので、自分たちに適したものを選ぶのが良いでしょう。
床鳴りが起きにくい樹種とは?
耐性ランキング
天然木でも、すべての樹種が床鳴りしやすいわけではありません。
木の密度や含水率、乾燥処理の状態によって、床鳴りの起こりやすさに差があります。
以下は床鳴りが比較的起きにくいとされるおすすめの樹種を、天然木材.comの取扱い材の中からピックアップしたものです。
床鳴りに強い樹種ランキング(天然木材.com取り扱い材より)

No1:オーク
重厚で硬く、寸法安定性に優れています。
床鳴りリスクが少ない定番樹種です。

No2:西南桜
比較的柔らかく、乾燥による割れが少ないのが特徴です。
光沢のある表情で高級感も◎。

No3:アカシア
アカシアは衝撃力や曲げにも強く、優れた耐久性があります。
そのため、床鳴りも起きにくいとされています。

No4:マホガニー
しなやかさと適度な硬さを併せ持ち、床鳴りしづらいです。
また、マホガニーは経年変化が美しく、世界三大銘木のうちの一つです。

No5:GROB(ホワイトオーク)
加工技術によりさらに安定しています。
見た目の美しさも人気のフローリングです。
素材によって変わる湿度や乾燥への強さ
木は生きている素材です。湿度が高いと膨張し、乾燥すると縮みます。この性質は特に無垢材で顕著で、室内の環境変化に敏感に反応するため、施工や日常の管理に注意が必要です。
冷暖房の影響で乾燥した部屋では、木が縮んで床板の隙間ができ、そこから音が発生することがあります。一方、湿度が高いと木が膨張して床が持ち上がり、圧力がかかってきしむ音が出ることもあります。
こうした変化は、素材ごとの吸湿性や乾燥処理の有無によって差が出ます。
天然木材.comでは、事前にしっかりと乾燥処理された材を提供しているため、比較的安定した使用感が得られます。樹種選びの際には、「どんな環境で使うか」もあわせて検討しましょう。
床鳴りを防ぐための施工と設計ポイント
フローリングの床鳴りは、素材だけでなく施工方法や設計の工夫でも大きく防ぐことができます。特に、床下の処理や接着剤の使い方、床材の貼り方によって、音の出方に差が出ることがわかっています。
「せっかく良い素材を使ったのに鳴ってしまった…」というケースの多くは、施工面に問題があることがほとんどです。ここでは、床鳴りを防ぐために押さえておきたい実践的な施工ポイントを具体的に紹介します。
《床鳴り防止のための施工ポイント一覧》
⚫︎ 下地の平坦性を正確に確保する
⚫︎ 接着剤は適量を均等に塗布する
⚫︎ 釘・ビスの打ち込み角度と間隔に注意
⚫︎ 隙間を考慮した目地設計を行う
⚫︎ 季節や湿度変化を想定して施工する

張り方の工夫で防げる床鳴りの仕組み
床材の「張り方」ひとつで、床鳴りの発生率が大きく変わるのをご存じですか?
例えば、木目の方向に合わせてフローリング材を並べる通し貼りでは、木材の伸縮が素直に逃げやすく、床鳴りが起きにくいとされています。逆に、無理な配置や寸法に余裕のない施工は、木が膨張したときに逃げ場を失い、結果として摩擦音を生んでしまいます。
また、浮き貼り工法と呼ばれる接着剤を使わない施工法では、部分的に浮きが生じやすく、歩くたびに床がたわんで音が鳴る場合もあります。そのため、しっかりと固定する「捨て貼り工法」や「直貼り工法」など、構造や使う素材に適した貼り方を選ぶことが重要です。
設計段階から素材と相性のよい張り方を選ぶことで、長期的な快適性につながります。

下地処理と接着剤選びで変わる床の静音性
床鳴りの原因のひとつに、下地の不陸(凹凸)や接着剤の不均一な使用があります。
床材を貼る前に、コンクリートや合板の下地がしっかりと水平になっていないと、施工後に微細な段差が生まれ、歩くたびにたわんだり浮いたりして「ミシッ」「ギシッ」と音を立てます。
これを防ぐためには、まず下地を水平に保つレーザー測定や不陸調整パテの使用など、丁寧な準備が必要です。そして、接着剤は「広く均等に」「適量を」「全面に塗布する」ことが基本となります。
特に、弾性接着剤(床鳴り防止タイプ)を選べば、伸縮に追従しやすく音が出にくくなります。
天然木材.comで紹介されているような高品質なフローリング材でも、施工精度が悪ければ床鳴りのリスクは高まるので、素材と同じくらい「貼り方・処理」も大切にしたいですね。
無垢材は床鳴りしやすいって本当?
「無垢材は床鳴りしやすい」という声を耳にすることがあります。
確かに、天然木は湿度や温度に敏感に反応し、伸縮や反りが起こりやすいのは事実です。しかしそれは、あくまでも「正しく選ばれていない・適切に施工されていない」場合の話です。
無垢材ならではの魅力と、正しい知識・使い方を理解すれば、床鳴りのリスクを最小限に抑えることができます。この章では、無垢材の特徴と、床鳴りを防ぐための正しい扱い方を詳しく解説します。

無垢材特有の性質とは?膨張と収縮の関係
無垢材の一番の特徴は、自然の木そのままの「呼吸する素材」であることです。
これはつまり、空気中の湿度を吸ったり吐いたりしながら、微妙に膨らんだり縮んだりするという性質を持っています。この膨張・収縮は、梅雨時や冬場の乾燥期などで特に起こりやすく、結果として床材同士がぶつかって「パキッ」と音が鳴ることがあります。
しかし、これは「素材の欠点」ではなく、自然素材としての健全な反応とも言えます。
無垢材は適切に乾燥処理されたものを選び、張る方向やすき間の設計に配慮すれば、こうした伸縮をうまく逃がして音の発生を抑えることが可能です。天然木材.comでは事前にしっかり乾燥・検品された材のみを提供しているため、安定性も非常に高いのが特徴です。

メリットも多い!
無垢材の魅力と正しい使い方
無垢材には床鳴りのリスクもありますが、それ以上にたくさんの魅力があります。
木の質感や香り、足触りの柔らかさは、他の素材では得られない快適さを与えてくれます。さらに、時間とともに深みを増す経年変化や、傷がついても削って補修・再生できるという長期的なメリットもあります。
ただし、使い方にもいくつか注意点があります。
以下のポイントを押さえておけば、無垢材の魅力を最大限に活かしながら、床鳴りを予防することができます。
《無垢材を快適に使うためのポイント》
⚫︎ 乾燥処理された信頼性の高い製品を選ぶ
⚫︎ 設置する部屋の湿度環境を考慮する(加湿・除湿)
⚫︎ 季節変化を見越してすき間を確保する設計を行う
⚫︎ 定期的にオイルやワックスでメンテナンスをする
⚫︎ 専門的な施工知識を持つ工務店に依頼する
これらを守ることで、無垢材でも床鳴りの少ない快適な空間をつくることができます。

フローリング選びにおすすめの商品
フローリングの床鳴りを防ぐためには、素材選びが何よりも重要です。
そこで注目したいのが、豊富な無垢材ラインナップと徹底した品質管理で信頼されている木材専門店の「天然木材.com」です。
昭和21年創業の歴史ある専門店で、プロの工務店や建築士からも多くの支持を集めています。
特に、床鳴りのしにくさと見た目の美しさを両立した樹種がそろっており、住まいの雰囲気やライフスタイルに合わせた選択が可能です。ここでは、店長おすすめのフローリング材3種をご紹介します。
天然木材.comの店長が特におすすめするフローリング材3種類には、床鳴りを抑えつつ、見た目や使い心地にもこだわった特徴があります。
おすすめフローリング材3選

商品:オーク
重厚感のある木目としっかりとした硬さが魅力です。
寸法安定性が高く、床鳴りの発生リスクが少ない素材の代表格です。ヨーロッパの高級家具にも使われる木材で、落ち着いた高級感ある空間を演出します。
天然木材.comでは、木目や色味のバリエーションが豊富で、お部屋の雰囲気に合ったオーク(ナラ材)を選ぶことができます。施工後の反りや割れにも強く、日常の湿度変化にも安定して対応します。床鳴りの心配を減らしつつ、自然な木の温もりを楽しめるのが特徴です。
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商品2:西南桜(白・ピンク)
明るく優しい色味が特徴で、比較的柔らかく足触りもソフトです。
湿気や乾燥への耐性も高く、床鳴りが起きにくい天然木のひとつです。家庭用として非常に人気があり、小さなお子様がいる家庭にもおすすめです。
西南桜は白とピンクの色味があり、淡い風合いが人気の商品でもあります。光沢が高級感を演出し、見た目の美しさだけでなく、機能面でも高い満足度が得られます。
⬇︎⬇︎ 西南桜商品はこちら ⬇︎⬇︎

商品3:GROB(グローブ)
高品質なホワイトオークを使用し、表面に特殊加工を施すことで美しさと安定性を両立しました。
木目の美しさを活かしながらも、施工後の反りや音鳴りのリスクを低減できる技術が光ります。
豊かな森に、充分な時間を掛けて育てられた木々から厳選された最高級のホワイトオーク・ウォルナット・チークを使用し、本来の木味を大切にしつつハンドスクレイプやブラッシングを施して、複雑な光と影が作り出す不揃いの美しさや、それまで隠れていた表情を引き出しました。
技術を駆使して加工したGROBシリーズは、機能性にも優れています。
⬇︎⬇︎ GROB商品はこちら ⬇︎⬇︎
これらの材はすべて、事前の乾燥処理と在庫管理が徹底されており、安心して選べる天然素材です。
天然木材.comは専門店として無垢・複合・床暖房対応商品などバリエーション豊富にご用意しております。
施工事例から学ぶ床鳴り対策の成功例
実際に天然木材.comの素材を使って施工したお客様の事例を見てみると、正しい素材選びと丁寧な施工が床鳴り防止にどれほど有効かがよくわかります。
例えば、公共施設や商業施設でオーク材を採用した事例では、利用者が多い空間でもきしみ音がなく、安定した歩行感を維持できているとの報告があります。

また、西南桜を使用した住宅では「冬の乾燥時期でも音が気にならない」との声もあり、素材と環境の相性を意識した選定が成功につながっていることがわかります。西南桜はナチュラルな雰囲気の内装と、淡く柔らかい色合いがとても良くマッチします。

フローリング選びには素材理解が鍵!
床鳴りはちょっとした音かもしれませんが、日々の暮らしの中では確実にストレスになります。
だからこそ、最初の素材選びがとても重要なんです。
無垢材の特性や施工方法を理解し、自分の住まいに合った木材を選ぶことで、床鳴りのリスクを大きく減らすことができます。
天然木材.comでは、しっかり乾燥処理された良質な無垢材を取り揃え、床鳴りしにくい素材選びをサポートしています。事例も豊富で、実際に使った人の声を参考にできる安心感も大きな魅力です。
「長く付き合う床だからこそ、失敗したくない」そんなあなたにこそ、天然木材の価値を知ってほしいと思います。
あなたも理想の空間づくり、始めてみませんか?

天然木材.comは木材専門の販売店として、天然木フローリングだけではなく、壁に張る無垢羽目板や、デッキ材、内装の建具に至るまで、豊富な商品バリエーションをご用意しております。新築からリフォーム、リノベーションまでプロの建築の方々とも話せる知識を持ったスタッフが対応いたします。もし、商品に関連する質問や相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。
これまでも多くのお客様・業者様よりご支持をいただき、嬉しいことに全国各地からご注文をいただいております。木材専門店として、取り扱う樹種の豊富さやバリエーションには自信があります!ぜひ、無垢材の採用をご検討中の方は、インターネットの通信販売にて全国販売が可能な天然木材.comをご利用ください。
なお、建設会社・設計事務所・工務店などには特別仕切り価格にて、商品を提供しておりますので、材料選びにお悩みの方はお気軽に!
コラム監修者からのメッセージ

監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)
木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。天然木材のフローリングも含め、羽目板やその他無垢材商品を、その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良いものを提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。