フローリングが滑る原因と対策|素材選び〜後付けグッズも徹底解説

フローリングが滑る原因と対策について

「最近、床がやたらと滑るな…」
そんな風に感じたことはありませんか?
転倒の危険がある滑りやすいフローリングは、家族の安全に直結する大きな問題です。特に小さなお子さんやペット、高齢のご家族がいるご家庭では、見逃せない悩みの一つでしょう。

滑る原因はさまざまで、ワックスの影響や素材そのものの特性、あるいは日常生活のちょっとした習慣が影響していることもあります。そして対策も、床材を変えるという根本的なものから、マットを敷く滑り止めを塗るといった手軽な方法まで幅広く存在します。

今回の記事では、フローリングが滑る理由を丁寧に解説した上で、素材の選び方やグッズを活用した具体的な対策まで、家族構成や住環境に合わせた最適な方法を紹介していきます。
ご家庭の安全を守る第一歩として、ぜひこの記事を活用してください。

フローリング

【今回の記事のポイント】
✔️フローリングが滑る原因と、見逃しがちな日常の要因
✔️素材ごとの滑りやすさの違いと、それぞれのメリット・デメリット
✔️手軽に導入できる滑り止めグッズの選び方と活用法

初稿:2025/5/19

《目次》
フローリングが滑る原因とは?
フローリング素材による滑りやすさを比較
フローリングが滑るときの対策グッズ
張り替える?貼る?素材変更の対策
フローリングが滑る家で大切な考え方
フローリングが滑る原因のまとめ

フローリングが滑る原因とは?

「どうしてこんなに床がツルツルするんだろう…?」
フローリングが滑る原因は、実は床材だけではありません。
生活の中で知らず知らずのうちに蓄積されるあるものが大きく影響していることが多いのです。
この章では、床が滑る原因を大きく2つのカテゴリに分けて、具体的な事例をもとに解説していきます。

フローリングが滑る主な原因一覧

フローリングが滑る理由にはいくつかの典型的なパターンがあります。
最も多いのは「ワックスの塗りすぎ」や「市販の艶出し剤の使用」です。
こういった製品は確かに見た目はきれいに仕上がりますが、同時に滑りやすさも増してしまいます。
また、掃除のときに使う洗剤の成分が床に残ってしまい、それが被膜となって滑りの原因になることもあります。特にフローリングは表面のコーティングが滑りやすさに直結するため、扱い方次第で大きく変わってきてしまいます。

さらに、皮脂やホコリ、髪の毛といった日常の汚れも滑る要因の一つです。目には見えなくても、積み重なると薄い滑膜を作ってしまうのですね。

《主な滑る原因》
⚫︎ ワックスや艶出し剤の過剰使用
⚫︎ 洗剤やクリーナーの成分残留
⚫︎ 人体の皮脂や汗、汚れの蓄積
⚫︎ ホコリや髪の毛が滑膜を形成
⚫︎ 床材の劣化や表面のコーティング剥がれ

フローリング ゴミ

落としがちな滑りやすくなる環境要因

フローリングが滑るのは素材やメンテナンスの問題だけではありません。
実は、住環境そのものにも滑りやすさを助長する要素が潜んでいます

例えば、空気の乾燥によって静電気が発生しやすくなると、細かいホコリが床にくっつき、滑りの原因になります。また、湿度が高いと床表面が微妙にベタつき、そのベタつきが汚れを引き寄せて滑りやすくなるという現象も起こります。さらに、ペットを飼っている家庭では、フローリングに滑りやすい油分や皮脂が残りやすくなります。特に犬や猫は肉球の影響で床の滑りをより感じやすいため、普段から清掃の工夫が必要です。

《見落とされがちな環境要因》
⚫︎ 冬場の乾燥と静電気によるホコリ付着
⚫︎ 夏場の湿気と皮脂による床表面のベタつき
⚫︎ ペットの皮脂やヨダレの床への付着
⚫︎ エアコンや加湿器による気流の偏り
⚫︎ 室内履きや靴下の素材との相性

フローリング ペット

フローリング素材による滑りやすさを比較

「フローリングの素材でそんなに違うの?」
実は、かなり違います!
フローリングの表面は素材の種類や仕上げ方法によって滑りやすさがまったく変わってくるんです
この章では、代表的なフローリング素材を比較し、それぞれがどれほど滑りやすいのか、またどんな家庭に向いているかをまとめて解説します。

素材タイプ 滑りにくさ
(★多い=滑りにくい)
特徴 向いている家庭
無垢フローリング ★★★★★ 自然素材で滑りにくく
肌触りが良い◎
赤ちゃん・ペット
高齢者がいる家庭
合板フローリング ★★☆☆☆ 安価で加工しやすいが
滑りやすい
一般的な住宅
コスパ重視の家庭
塩ビ(ビニール)床材 ★★★★☆ 滑りにくく水にも強い ペット飼育
水回りを使う家庭
ウレタン塗装仕上げ ★☆☆☆☆ ツヤありで見た目が美しいが
滑りやすい
インテリア重視の家庭
ノンワックスタイプ ★★★☆☆ ワックス不要で手間なし 掃除を楽にしたい家庭
フローリング

無垢材と合板フローリングの違いとは?

「無垢フローリングは滑りにくい」ってよく聞きませんか?
実際、無垢材は自然の木をそのまま使っているため、素材自体に適度な凹凸と吸湿性があり滑りにくいという特性があります。表面に余計なコーティングをしていない場合、靴下でも素足でもグリップが効きやすく、小さなお子さんやペットにも優しい床材と言えるでしょう。
一方、合板フローリングは複数の木材を貼り合わせた構造で、表面に化粧シートやウレタンなどの塗装がされていることが多く、ツルツルとした質感になるため滑りやすくなります。ただし、価格が安く施工も簡単なため、一般家庭で広く使われています。

滑りにくさを最優先する場合、無垢材に軍配が上がりますが、費用やメンテナンスの手間も考慮する必要があります。

無垢フローリング
合板フローリング

ペットや赤ちゃん、高齢者に優しい床材は?

家族にとって安心できる床材を選びたい。これはすべての家庭に共通する想いだと思います。
特に、転倒リスクが高い赤ちゃんや高齢者滑りやすい肉球を持つペットにとっては床選びが健康にも影響を与えるほど大切です。
それぞれの立場に合わせたおすすめ床材は以下のとおりです。

【おすすめ床材】
⚫︎ 赤ちゃん向け・・・無垢材(オイル仕上げ)やコルク材。柔らかく、衝撃吸収性が高い
⚫︎ 高齢者向け・・・クッション性のあるビニル床材または滑り止め加工済みのフローリング
⚫︎ ペット向け・・・滑り止め加工のフローリングやノンワックス仕様、または塩ビ素材

床の素材だけでなく、表面の加工やメンテナンス方法によっても滑りにくさは変わります。
「誰のための床なのか?」をしっかり考えて選ぶことが、快適で安全な住まいづくりの第一歩です。

フローリングが滑るときの対策グッズ

「床を張り替えるのは大変だけど、今すぐ何とかしたい!」
そんな方におすすめなのが、後から設置できる滑り止めグッズです。最近は見た目もおしゃれで実用的なものが増えていて、家族の安全を守りながらインテリア性も損なわずに済みます。
ここからは、すぐに導入できるアイテムを用途別に紹介していきます。

フローリング カーペット

滑り止めマット・カーペットの選び方

マットやカーペットは最も手軽に導入できる滑り止め対策です。ただし、素材や裏面の加工によっては逆に滑りやすくなることもあるため、選び方には注意が必要です。

例えば、滑り止め加工がされていないマットは、踏んだ瞬間にズレたりめくれたりして逆効果になることもあります。また、フローリングとの相性によっては、裏面のゴムが床を傷める場合もあります。選ぶときは、滑り止め加工がしっかり施されていて、薄手でつまずきにくいもの、かつ洗濯可能なタイプがベストです。見た目重視ならインテリアに馴染む色やデザインにもこだわると、使い続けやすくなります。

《滑り止めマット選びのポイント》
⚫︎ 裏面に滑り止め加工があるか
⚫︎ フローリングを傷めない素材か
⚫︎ 厚みは薄めでつまずきにくいもの
⚫︎ ペット用なら爪が引っかからないループなしタイプ
⚫︎ 汚れたら洗えるウォッシャブル仕様がおすすめ

フローリング カーペット

滑り止めワックス・スプレーは本当に効く?

「滑り止めワックスを塗ればOKでしょう」と思いがちですが、実際には製品によって効果の差が大きいのが現実です。

ワックスやスプレータイプは、床に透明な被膜を作ってグリップ力を高める仕組みですが、注意点もあります。まず、既に滑りやすくなっているワックスの上に塗っても効果は薄いです。また、床材に合わない成分のものを使用すると白化したりベタついたりするリスクもあります。

ペット用や高齢者向けに開発された滑り止めワックスは比較的効果が高く、安全性も考慮されています。購入時には「フローリング対応」「ペット・子どもにも安全」などの記載を必ず確認しましょう。

フローリング ワックス

テープ・シールタイプのメリットとデメリット

テープやシールタイプの滑り止めは、ピンポイントで滑る場所だけに対応できる便利なアイテムです。特に廊下や階段など、動線が決まっている場所に適しています。
メリットは、手軽に貼れて即効性があることです。デメリットは、時間が経つと粘着力が落ちて剥がれやすくなったり、床に跡が残る場合があることです。また、頻繁に貼り直すのが面倒だと感じる方には不向きかもしれません。とはいえ、「ここだけ滑る」という局所的な問題には最適な対策で、滑りやすい場所を視覚的にも区別できる点が魅力です。

《テープ・シールタイプの特徴》
⚫︎ 廊下・階段など部分対策に最適
⚫︎ 手軽に貼れて効果はすぐ出る
⚫︎ 長期間使うと粘着が弱くなる可能性あり
⚫︎ 色付きタイプは視認性も高く安全性アップ
⚫︎ 床に跡が残る製品もあるため注意が必要

滑り止めシール

張り替える?貼る?素材変更の対策

「もう根本的に滑らない床にしたい…!」
そう感じている方にとって、床材そのものを見直すのは非常に有効な選択です。とはいえ、フローリングの全面張り替えは費用も工期もかかるため、なかなか踏み出せないのも事実です。
最近では、既存の床に貼るだけのリフォーム材も進化しており、DIYでも対応可能な製品も増えてきました。
ここでは、「張り替え」と「貼るだけ」の2つの方法を比較しながら、自分に合ったリフォーム手段を考えていきます。

フローリング 張り替え

フローリングの張り替え時に選ぶべき素材とは

フローリングの滑り対策として最も効果的なのは、滑りにくい床材に張り替えることです。特に注目されているのが「無垢材」や「塩ビタイル」といった素材です。これらは表面がサラッとしていても適度な摩擦があり、滑りにくさをしっかり確保できます。

無垢材は自然な質感と温かみがあり、家族全員が素足で快適に過ごせるのが魅力です。ただし、価格は高めで、反りやすいといった特性もあるため、施工には専門的な知識が必要です。一方、塩ビ(ビニル)系の床材は耐水性と耐久性が高く、滑り止め加工も施されているものが多いため、コストパフォーマンスに優れた選択肢となります。
「一生モノの床にしたい」という方には、こういった素材での張り替えをおすすめします。

既存の床に貼るだけの簡易対策材とは?

「リフォームはしたいけど、大がかりなのは無理…」
そんなときに役立つのが、既存のフローリングの上から貼るだけで使える対策材です。施工が簡単で、工具を使わずに模様替え感覚で滑りにくい床に変えられるのが大きな魅力です。中でも人気なのは、クッションフロアや置き敷きタイプの床材、フロアマットです。特に子育て中の家庭では、音の軽減や転倒時の衝撃吸収といった面でも支持を集めています。

《貼るだけ対策材の例》
⚫︎ クッションフロア・・・やわらかく、転倒時も安心
⚫︎ ジョイントマット・・・好きなサイズにカットできる
⚫︎ 置き敷き式タイル・・・木目調も選べてインテリア性◎
⚫︎ 滑り止めタイルマット・・・ズレにくく水にも強いタイプも

「いま必要な対策」から「長期的な快適性」まで、ライフスタイルに合った選択をしていきましょう。

ジョイントマット

フローリングが滑る家で大切な考え方

「もっと早く対策しておけばよかった…」
そう後悔しないために大切なのは、見た目だけでなく安全性も重視して床材や対策を選ぶことです。
特に家族と過ごす空間では、滑りにくさ=安心そのものです。
日常の快適さは、こうした細かい気配りから生まれます。ここでは、後悔しない床選びの考え方や対策の基準を紹介します。

見た目と安全性、どちらもあきらめないために

「見た目が気に入ってたから…」という理由だけで選んだ床材が、結果として家族の安全を脅かすものだったら本末転倒ですよね。とはいえ、安全性を優先すると「いかにも滑り止め」な無骨なデザインになりがちで、インテリアの美しさが損なわれる…そんなジレンマもあります。

でも、最近は見た目と機能を両立させた床材や滑り止めアイテムがどんどん登場しています。木目調の滑り止めタイル、透明な滑り止めワックス、スタイリッシュなジョイントマットなど、選択肢は思っている以上に豊富です。大切なのは、安全と見た目の両方に納得できるラインを自分なりに探すことです。
インテリアと暮らしの安心感は、ちゃんと両立できるのです。

フローリング

家族構成に合わせた対策を選ぶコツ

フローリングの滑り対策は、誰が住む家かによって正解が変わります
例えばペットがいるなら、肉球が滑りにくい表面仕上げが必要です。赤ちゃんがいるなら、転倒時の衝撃を和らげる柔らかさも大事です。高齢者には、つまずきにくい薄さや足の運びやすさが欠かせません。
誰かの安全を思いやる視点があれば、自然と選ぶべき対策も見えてくるはずです。

【家族構成別の対策ポイント】
⚫︎ 赤ちゃんがいる家庭・・・クッション性重視。柔らかくて洗えるマットが◎
⚫︎ 高齢者と同居している家庭・・・薄手&滑りにくい床材+段差解消
⚫︎ ペットがいる家庭・・・爪が引っかからない・肉球が滑らない素材選び
⚫︎ 複数世代同居・・・全体のバランスを取りながら部分的なグッズ導入も有効

「万人にとって100点の床」ではなく、「わが家にとって最適な床」を選ぶ意識が、後悔しない選択の第一歩です。

フローリングが滑る原因のまとめ

今回の記事では、「フローリングが滑る」という悩みに対して、原因の解説から根本的な素材選びの見直し、そして手軽に実践できる後付けの滑り止めグッズまで、複数の視点から幅広く対策方法をご紹介しました。
滑りやすい床は、見た目では気づきにくいですが、転倒事故や日々のストレスにつながる深刻な問題です。特に、小さなお子さんや高齢のご家族、ペットと暮らす家庭にとっては、安全性を第一に考えるべき場所でもあります。

無垢材や塩ビタイルといった滑りにくい素材を検討するのも一つの手ですし、今すぐできるマットや滑り止めワックスといった簡単な工夫でも大きな違いが出ます。また、インテリアの見た目を損なわない対策グッズも豊富にあるため、「安全」と「おしゃれ」を両立させることも可能です。

大切なのは、「今すぐできること」と「長期的な目線で見直すこと」の両方に目を向け、自分の家庭に合ったベストな方法を選ぶことです。毎日を安心して暮らせる床環境づくりの第一歩として、ぜひ今日から取り組んでみてください。

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コラム監修者からのメッセージ

監修者

監修者:滝口 敦

(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)

木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。今回の天然木フローリングも含め、羽目板やその他無垢材商品を、その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良いものを提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。

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