無垢材の魅力や人気の種類などをご紹介
住む人に安らぎを与えてくれる木の温もり。
人生の多くの時間を過ごす住まいの素材に木材を選ぶ人が増えています。
中でも原木から切り出した自然の風合いたっぷりの無垢材はその柔らかい肌触りからフローリングの材料として特に人気です。
その反面、木材だけにお手入れも大変なのではと敬遠される向きも。
ここでは、無垢材をフローリングに用いるメリットやデメリット、いつまでも長持ちするお手入れの方法などを詳しく紹介します。
今回の記事のポイント
✓無垢材のことや選ばれる理由がわかる。
✓無垢材の代表的な種類やメンテナンスについてわかる。
更新日:2023/5/25
初稿:2022/5/24
《目次》
・無垢材とはそもそもどんなもの?
・相性抜群!無垢材が選ばれる理由を解説
・無垢材フローリングの代表的な種類は?
・無垢フローリングを長持ちさせる方法
・無垢材フローリングは床にぴったり!
無垢材とはそもそもどんなもの?
木の無垢材とは、丸太などの天然木から切り出した自然な状態のままの一枚板全般のことをいいます。
無垢材の「無垢」には、「清らかで混じりけのないこと」という意味がありますので、混じりけのない木材を表す言葉として用いられているものです。
そのため無垢材とは特定の樹木をさすものではありません。
また、無垢材には化学物質が含まれていないという特徴もあります。
農林水産省は無垢材を「接着剤を使わず製材品としてそのまま利用する木材」と定義しています。
つまり、無垢材とは天然素材そのものであると言えるのです。
切り出した自然そのままの状態ですので、木目や年輪など、一枚一枚が個性的な見た目の独自の風合いを醸し出しているのも無垢材の特徴と言えます。
よくインテリア ショップなどで一枚板で出来たダイニング テーブルやデスクを見ることがありますが、あれこそまさに、「無垢材」と言えます。
一方、天然の無垢材に対比される木材として集成材や合板があります。
これらはカットした木材を接着剤を用いて何枚も貼り合わせたものです。
木材の断面には継ぎ目があり、年輪の方向もまちまちなので無垢材との違いが確認できます。
集成材や合板はカットした板を十分に乾燥させて接着しているものなので、建築素材としては乾燥による反りやねじれが生じにくいという特徴があります。
継ぎ合わせて加工しますのでサイズを大きくしたり小さくしたりするのも自由に行うことができるのもメリットです。
一般的に無垢材より価格は抑えられますが、貼り合わせなど手間がかかるぶん、種類によっては値段が高めになるものもあります。
このほか接着剤が原因でシックハウス症候群を誘発したり、経年劣化で接着面がはがれたりするデメリットもあります。
集成材や合板は加工された木材であるため、品質の均一性や施工素材としての安定感はありますが、無垢材のような風合いや温かみという点では及びません。
無垢材は素材によって性質が異なり、素材ごとにそれぞれ豊かな表情を見せてくれるのが魅力ですが、そのぶん天然木ならではの扱い方の違いを知っておく必要があります。
相性抜群!無垢材が選ばれる理由を解説
素足になじむ自然な温もりが人気を集め、フローリングには無垢材を用いるという選択肢が定着してきました。
フローリングとは床用木材の種類の一つで、場合によっては床そのものをさしていうこともあります。
このうち無垢材を用いたフローリングを「単層フローリング」といい、集成材や合板の上に単板や化粧シートなどを加工した「複合フローリング」とは区別して使われます。
フローリングにはこのほか、塩化ビニール素材を用いたタイル状のタイプや、表面が柔らかいクッションフロアーなどもありますが、主流は単層フローリングと複合フローリングとなります。
木材そのものの温かみを感じることができる
天然木から切り出した一枚板ならではの風合いは、人の手を加えた加工板には出すことができません。
見た目だけでなく、その質感や肌触りは常に自然と一体であるという安らぎと安心感を与えてくれます。
時間が経つほど味がでる
無垢材は、年月が経つにつれてその表情を変えていきます。
日の光に焼けて色に深みが増したり、歩くたびに使い込まれて肌触りがいっそう心地よく滑らかになったりと、年を重ねるごとに深まる味わいの変化を楽しむことができます。
湿度調整をしてくれる
無垢材には、室内の湿度を一定に保つ調湿作用があります。
これは、湿度が高いと湿気を吸い取り、湿度が低いと湿気を放出するという作用で、蒸し暑い夏の室内や乾燥した冬の室内でも、無垢材のこの調湿作用によって快適に過ごすことができるようになります。
修復が簡単にできる
無垢材は集成材や合板に比べてやわらかく、何かの拍子にキズがついたとしても、サンドペーパーなどを使って研磨することで比較的簡単に修復することができます。
無垢材のデメリット
フローリング素材として無垢材が支持されている点を挙げてきましたが、デメリットもあります。
まず価格面で複合フローリングより値段が張ります。
また水に弱く、大量に吸い込むと膨張して変形する恐れがあります。
やわらかいのでキズが付きやすいという点にも注意が必要です。
価格については住む人の価値観によって捉え方も異なりますが、水やキズなどの問題はお手入れを怠らないことで十分に防ぐことができます。
無垢材フローリングの代表的な種類は?
無垢材には様々な種類があります。
それぞれに特色があり、選ぶ木材によって住まいの雰囲気をガラリと変える力も持っています。
家づくりに用いられる代表的な無垢材とその特徴を確認しておきましょう。
スギ(杉)
スギは日本の代表的な木材の一つで建築資材として昔からよく使われている素材です。
そのため和風の家屋には相性が良いとされています。
スギは保温性が高く肌触りがよいうえに材質がやわらかいので、和室に用いるだけでなく、素足で歩くフローリングの素材として洋室にも最適であるといえます。
リラックス効果のある香りもよく、木目の美しさも好まれており、年月を経るにつれて風合いも深まるという特徴を持っています。
フローリング素材としては加工もしやすく比較的値段も安価なので、無垢材の中でも人気の高い種類です。
パイン
パインはフローリングだけでなく、アンティーク家具などにも使用される世界的に人気の高い無垢材として知られています。
白っぽい色合いが年月を経るとともに次第に艶やかなあめ色に変化し、その色の移ろいはナチュラルで素朴な印象を与えます。
派手さを排したオーソドックスな家屋に用いられることの多い素材であり、スギと同じくやわらかいその材質は、小さな子どもや高齢者用の部屋にも安心して使用することができます。
子供部屋の無垢フローリングについてはコチラ➡【床材の無垢フローリングは子供部屋に最適】
ヒノキ(檜)
ヒノキは日本の代表的な高級木材として知られており、何といってもその特徴は独特の香りの高さにあります。
ヒノキ風呂はこの香りのリラックス効果によって深い癒しの気分を与えてくれますが、もう一つ、水に強いということの証明でもあります。
通常、無垢材は水に弱いという性質がありますが、例外的にヒノキは水との親和性があり、強度や耐久性にも優れているという長所を持ちます。
白色からあめ色へと年を経るごとに風格を増し、フローリングの材料として抜群の人気を誇る無垢材ですが、唯一価格が高いという難点があります。
オーク
オークはウィスキー樽や船の材料に用いられることでも知られ、無垢材としては耐水性に優れた特徴を持ちます。
ブラウンの明るい色目は落ち着いた印象を与え、木目も美しいことで、古くからフローリング素材として高い人気を集めました。
硬質でキズがつきにくく、耐久性に優れている点にも定評があります。
無垢材としては比較的安価であることからフローリング素材の定番の一つとして好まれています。
メープル
メープルは日本ではカエデやもみじとして知られ、楽器の素材としても用いられる木材です。
メープルは材質が硬く衝撃に強いため、その耐久性の高さが大きな特徴となります。
経年による割れや変形もほとんどなく無垢材の中では高級素材として位置づけられます。
きめの細かさと美しい木目が魅力的で、年月を重ねるごとに白色からあめ色に艶を深めて変化するさまが重厚な印象を与えます。
ウォールナット(ブラックウォールナット)
ウォールナットは日本ではクルミとして知られ、チークやマホガニーと並び世界三大銘木の一つにも数えられています。
濃い茶色の色味が特徴的で、年を経るにつれてこれが明るい茶色に変化していきます。
材質は硬く、衝撃に強いのが特徴で、加工しても狂いが少ないため、フローリングはもちろんのこと、家具の材料としても用いられることの多い素材です。
一方でウォールナット自体が希少な木材であることから他の素材に比べると非常に高価である点がデメリットであるといえます。
無垢フローリングを長持ちさせる方法
無垢材のフローリングを長く美しく保つためには、日ごろのお手入れが大切です。
しかし、あまり構えすぎる必要はありません。
どのような材質の無垢材に対しても、基本は乾拭きで大丈夫です。
乾拭きの前に、まず掃除機で埃を取ります。
埃を残したまま床を拭くと継ぎ目に埃が押し込まれて後で取りにくくなるのを防止します。
その後、雑巾などで乾拭きをしますが、掃除用品などを用いて床を拭く場合は洗剤が含まれていないタイプを使用します。
床についた汚れを落としたい場合は、しっかりと水を絞った雑巾などで拭き取りますが、拭き取った後は乾拭きして水分を残さないようにします。
また、頑固な汚れがついてしまった場合は、無垢材専用の洗剤を使って水拭きするほうがよいでしょう。
いずれにせよ、水分は反りや曲がりの原因となる無垢材の大敵です。水を使って掃除したあとは、必ず乾拭きをして水分を残さないことが大切です。
基本的に、無垢材がコーティング系塗装をしてある場合は、以上の方法以外に特別なお手入れをする必要はありません。
しかし、浸透性塗料を施した無垢材については、年に一度を目安にして再塗装を行う必要があります。
自宅の無垢材がどちらのタイプなのか、事前に施工業者に確認しておくようにしましょう。
無垢材フローリングは床にぴったり!
床のフローリングにぴったりの無垢材は種類が豊富!そして適切なお手入れでいつまでも美しく愛用できます!
自然の風合いに満ちた無垢材は床のフローリング素材として非常に高い人気を誇っています。
年月を重ねるほどに味が出る無垢材のフローリングは、適切にお手入れを施せば末永くその美しさを保つこともできます。
無垢材は種類が豊富ですので、それぞれのタイプの特徴を押さえたうえで、家づくりのコンセプトにぴったりと合ったお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
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