後田工務所 森山様インタビュー
森:(株)後田工務所 森山様
滝:滝口木材(株) 滝口 彰弘
滝:この度は私どものカバザクラの無垢フローリング、それからオーク・ブラックウォール
ナットの挽板フローリングをご採用頂きまして誠にありがとうございます。それではまずはじめに後田工務所さんにつきまして少しお教えいただけますでしょうか?
森:弊社は明治43年(1910年)の創業です。社長のひいおじいさんの代から創業しました。
滝:明治43年といいますと、もう創業100年を超えていますよね。明治・大正・昭和・平成・令和と元号を5つもまたぐ、非常に御社は歴史のある会社ということになりますね!
そういった長い歴史を刻まれていることは、本当に素晴らしいことだと思います。私ど もも御社がこれからもより良い歴史を重ねていける様、精一杯ご協力させていただきますので、今後ともよろしくお願い致します。ちなみに、御社では専属の大工さんは何名いらっしゃいますか?
森:弊社の専属の大工は現在2名です。
木材をご採用頂いた理由について
滝:分かりました。次に今回カバザクラの無垢フローリング、それからオーク・ブラックウォールナットの挽板フローリングをご採用頂きましたが、採用された理由を教えていただけますでしょうか?
森:まず、弊社ではよく採用していた床材をご提案いただいたのと、品質が優れていること、それから価格も非常にお手頃でしたので、採用させていただきました。それから、滝口さんはもともと材木屋さんで老舗でしたので、木には詳しいのかなあと思ったので、そこは安心してお付き合いを始めさせていただきました。
滝:私どもも木のプロとして、間違いのない提案をさせて頂いたつもりではいるんですけれども、その点を評価して頂きまして本当に感謝申し上げます。続きまして、今回ご採用いただきました床材につきまして、お客さまにおススメしやすい点を教えていただけますでしょうか?
滝:ブラックウォールナットは非常に特徴的な木で、昼と夜で色も違ったりとかいろいろ表情豊かなところがあるかと思いますが、そのあたりは森山さんとしてはどのようにお客さまに勧めていらっしゃいますか?
森:そうですね、ブラックウォールナットは結構色が濃くてインパクトがあるので、メイン の床材に使うのは勇気がいるんですけれども、寝室とかちょっと大人っぽい雰囲気にしたい時には最適なので、そういった場所に使う場合には提案するようにしています。
弊社をお選びいただいた理由について
滝:分かりました。ではこうした床材は無垢にしても挽板にしても弊社以外にたくさんのメーカーや業者が取扱をしていますが、今回弊社をお選び頂いた理由は何でしょうか?
森:他のメーカーや業者さんと見た目や素材が変わらないのに、お手頃な価格をご提示いただいたので、採用を決めました。
滝:それでは弊社の商品を発注される際に、どの様なことに気を付けていますか?
森:メインで使うところについては、挽板の方が暴れは少ないので、出来るだけ挽板を提案するようにしています。また挽板の場合は幅が広くて高級感が出るので、メインの床材には絶好の素材だと思います。あとは細かいところでいうと、長さ、ですね。やっぱり短いカットサンプルだけを見て判断してしまうと、全体の雰囲気が分からないので、3尺だけなのか、あとは長いのがあったり短いのがあったりとか、ユニのものなのか、というのはちゃんと確認するようにしています。それでだいぶ雰囲気は変わりますので。
滝:そうですね。確かにその現物がどうなのかという確認は必要ですよね。
やっぱりお部屋の雰囲気も長さというか、サンプルだけでは分からない部分がありますし、実際貼ってみてユニの6尺だったり挽板の3尺だったりでずいぶんお部屋の雰囲気って変わりますよね。そのあたりは必ず確認をしながら発注をされていらっしゃるということなんですね。
森:インテリアの面ではそうですね。一方で施工面については施工方法などは事前に必ず確認するようにしています。
施工の際に気を付けられていることは
滝:分かりました。では今もお話が出ましたが無垢や挽板のフローリングを施工される際にどういったことに気を付けていらっしゃいますか?
森:先日カバザクラ(バーチ)の無垢フローリングを施工した際に隙間が発生したんですけれども、今までにないくらいの隙間が出たので、接着剤の材料や商品なども使っても大丈夫なものかきちんと確認をしないといけないなと思いました。
滝:確かに施工説明書などにも接着剤はコニシのKU928CXが推奨です、というような記載がありますので、合ってないものを使うと確かに床材に悪い影響を与えて暴れたりする原因にもなると思います。そのあたりは皆さん十二分に気を付けていらっしゃるとは思いますが。あとは私たち木の専門家からのポイントとしては、やはり含水率の管理でしょうか。床材もそうですし、下地の含水率も影響してくる部分があります。最近はあまり無いとは思いますが、下からの湿気で床材が暴れるようなこともありましたので、含水率や湿度の管理は施工されるにあたって十分に気を付けなければいけないなとは思います。
森:含水率もそうなんですけど、湿気が多いときに施工したものが乾いちゃって隙間が空いてしまうっていうのもあるので、時期によっても気を付けないといけないなと思います。
滝:そうですね。プラスあと最近は住宅自体が高気密高断熱になっていて、どちらかというと過乾燥になりやすい環境下でもあるので、昔よりも例えばオーク材の突き上げなどのトラブルは逆に少なくなっていて、むしろ今は隙間が空いてしまっているというトラブルの方が多いと思います。高気密高断熱仕様がだいぶ普及していることもあって、昔に比べると施工する環境というのは少し変わってきているのではないでしょうか。
次に、弊社の商品を知って一番驚いたことがありましたら教えて下さい。
森:弊社の社長がびっくりしていたのが、アガチスを昔よく使っていたのですが、今ほとんどなくなっていたのに、滝口さんのところで取り扱いがあったので、驚いていました。
滝:そうですか。昔に比べると確かに原材料を確保するのってどの木もそうですし、床材でいえばオークやブラックウォールナットにしてもそうなのですが、全体的にやはり原料が少なくなってきている部分もあるので、アガチスだけがとてつもなく難しいというわけではないと思うんです。逆に世界全体の人口は増えていて、皆さん木材を使いたいという需要がある中では、原材料には限りが出てきます。そうした中で上手く材料を確保して、また使っていくかっていうところって、アガチスに限ったことではないのですが、やはりどんな樹種も有効活用していかないといけないなというのは感じます。そういった中でご提案させていただいた挽板フローリングなどは資源を有効利用するという意味では非常に良いアイテムだなという自負はございますので、また今後ともいろいろな現場があると思いますが、ぜひご提案を続けていただければと思います。
森:はい、また良い商品が出ましたらご提案よろしくお願い致します。
最後に一言
滝:分かりました。せっかくアガチスのお話も出ましたので、羽目板だったり枠材や建具材などでもアガチスは非常に人気のあった商品ですし、今もやはりファンがいらっしゃいますので、またアガチスの木味が良いという方がいらっしゃるようでしたら、ぜひまたお声掛けいただければと思いますので、よろしくお願い致します。
では最後に何か一言あればお願い致します。
森:最近お客さんの傾向でラスティック系のものを好まれる方が多いんですね。わざと節が入っていたり木目が激しかったりとか。そういうのを床材も含めてですが壁材、天井材とかでそういうのがあればご提案よろしくお願い致します。
滝:分かりました。やはり最近のトレンドとして、お客さまがきれいなものよりもそういったキャラクターマークがある方が木らしくて良いと評価される傾向が強いですし、より素材感が強いというか、ナチュラルなテイストのものを求められることが多いと思います。ですので私どもも海外の工場ともよく打ち合わせをしながら、そうした需要に合うものをまた開発していろいろとご提案していきたいと思いますので、御社からもお施主さまのご要望をどんどんお教えいただいて、私どももそうした声を商品開発に役立てたいと思いますので、何なりとお話いただければと思います。
それでは本日のインタビューは以上となります。長時間にわたりご協力いただきましてありがとうございました。
森:ありがとうございました。