住宅で木材を使う時のポイントとは?
どのようにして使用したら素敵な空間が造り出せるのか?何に注意をしていけば間違いない素材を選べるのか?などデザインや好みだけではなく木材屋としてのアドバイスなんかもお伝え出来ればと思います。新築を検討されている方は、一生に一度の大きな買い物になります。そしてリフォーム・リノベーションをご検討の方もせっかく施工するならより良い環境にしたいと思うはずです。
双方、失敗や後悔がないよう慎重に選び、検討することで理想の住宅を手に入れることができると思います。是非、ご参考になれば嬉しいです。何か途中で疑問点やご質問などが出た際にはお気軽にお問い合わせください。皆さんのご要望に沿って多種多様な木材をご紹介いたします。
【今回の記事のポイント】
✔️木材選びのコツやポイントがわかる
✔️施工事例や知識などを参考にできる
更新日:2023/10/16
初稿:2021/3/23
《目次》
・木材選びを視覚で考える
・木材選びを用途で考える
・木材選びをバランスで考える
・木材の組み合わせ 施工事例
・住宅で木材を使う時のポイントまとめ
木材選びを視覚で考える
人間は視覚から入るイメージが7割と言われます。お部屋に入った瞬間に一番目に留まるのは空間の多くの割合を占めているフローリングになります。フローリングに無垢材を使用することで無垢の良さがダイレクトに伝わり、お部屋の演出をしてくれます。
また、前回お話したようなフローリングの張り方や幅なども大切なポイントになります。大きな割合を占めるからこそ理想の空間をつくる上では欠かせないでしょう。幅広の無垢フローリングを使用すると部屋には圧迫感がなくなり、広さを感じることができます。逆に幅が狭い木材を使用した場合はシャープな印象になります。他にもヘリボーンなどの模様を施すことで個性的な空間をつくりあげることができます。
そして色味も重要なポイントになります。最近のようなカジュアルな部屋をお好みの方には色が濃い、ダーク色の木材が人気です。【ブラックウォールナット】や【ブラックチェリー】、オイルや塗装を施して少し色味を濃くする場合もあります。
木材選びを用途で考える
木材には樹種によって様々な特性があります。硬さや柔らかさ、針葉樹や広葉樹によっても違いはそれぞれです。木材を使用する箇所によってその場所に最適な木材を選ぶことでより良い環境を長く維持することが出来ます。
例えば、リビングのフローリングと寝室や子供部屋のフローリングでは勝手が違います。リビングは常に人が集まり、歩き回ることも多いはずです。しかし、寝室などは寝る部屋なのでそんなに歩き回ることも衝撃を与えるようなことも少ないと思います。子供部屋に関しては大人とは違い、成長段階にあるお子様の身体のことを考えたり、おもちゃなどを広げたり床に直接座ったりすることを考えると選ぶ木材が変わってきます。
リビングに最適オーク
どんな空間にもすんなりと馴染むオークは昔から人気の木材です。和でも洋でも合わせることが出来ますし、丈夫で建材や家具だけでに留まらず船舶などでも使用されていました。その為、水回りでも採用が出来る万能の優れ物です!普及の人気があるのもわかります。
また、木目も美しく、様々な表情を見せてくれます。温かみを増し空間を包み込んでくれるような安心感まであります。
寝室には癒しのスギ材
ヒーリング効果が最も期待できる木材は針葉樹のスギ材です。高く真っ直ぐに伸びる針葉樹は柔らかく素直で木の香りがよくします。使い込むことで味わいも増します。
スギ材は古くから日本の建築には欠かせない木材です。住宅だけでなく、城や神社仏閣などでも多く採用されています。ヒーリング効果を求めて書斎などに無垢羽目板として使用される方も多くいらっしゃいます。
子供部屋には優しいパイン材
ポップな色合いにもマッチするのはパイン材だからこそ。淡い白っぽい色合いがどんな色味にも合わせることができます。
また、パイン材は柔らかく子供の足腰や素肌にも優しく、触り心地も滑らかで気持ちがいいです。経年変化も楽しめるので子供の成長と共に一緒に変化し成長する木材として人気があります。
子供部屋に置く机や椅子などの家具もパイン材を使用しているものが多いので、同じものを採用することで統一感も生まれます。
他にも無垢材を使用したフローリング材は多数あります。お気に入りの色味や、風合いなども合わせてそれぞれの場所にあったモノをお探し下さい。無料サンプルもございますので、本物を質感なども含めてお手元でご検討する方もいらっしゃいます。業者様もお気軽にお問い合わせくださいませ。
木材選びをバランスで考える
住宅全体を見て考えた時に、先ほどのようのに用途にだけに合わせて各部屋でフローリングが違っていたらどうでしょう?玄関から水回りは【チーク】を使用しているのにリビングに入ると【オーク】のフローリングになっていて、寝室は【柳杉】に子供部屋は【パイン】と全てがバラバラのフローリングだとアンバランスで統一感の欠片もありません。きっとそんな風に無垢フローリングを使う人は少ないと思いますが、家全体を見渡して統一感を持てた方が住み心地も良いでしょう。
一般的には住宅で使用する木材の種類は3~4種類がベストと言われています(内装に限る)。もしくは似た色合いのものを使うのであれば5~6種類でもいいかもしれません。初めにお伝えした視覚が7割という話から、いくつもの種類の木材が部屋に混在していると視覚から混乱してしまいますでの出来るだけ統一感を持った空間づくりを心掛けてください。
木材の組み合わせ 施工事例
こちらは無垢フローリングをチークで施工。
そして勾配天井にはアガチスの無垢羽目板を使用しています。
同系色の色味でありながらも表情が違う木目に飽きがきません。ウッディーな印象を強く引き出した空間となっています。
こちらはカバザクラの無垢フローリングを使用しました。
カウンターと格子はアガチスでつくられています。色合いがとてもマッチしていて同じ樹種だと思う人もいるかもしれませんね。
ライティングの角度によっても木の表情を変えることが出来るので、可動式のライトであれば施工後であっても表所を変えて楽しむことができます。
西南桜の無垢フローリングと腰板にアガチスの無垢羽目板を使用しました。
淡いピンクがかった西南桜にも調和するアガチスはどんなものにも合わせやすく使い勝手がいい素材になります。
ナチュラルテイストな空間にするには腰板で木を使用する量を増やすことで実現できます。
無垢フローリングは木の存在感を大いに感じることができ、住宅のように長く使用する場合には経年変化も楽しめるのでおすすめです。他にも様々な種類の無垢フローリングをご用意しています。新着の無垢フローリングもありますので是非、ご参考までにご検討してみてください。
また、実際に触って色味なども見ることができる無料サンプルもございますのでお試しください。画面で見るよりも各段に本物は違います。きっと触ってみたら無垢材の良さを実感していただけると思います。
新着の無垢フローリング
住宅で木材を使う時のポイントまとめ
これから新築、リフォーム・リノベーションで住宅の内装などに木の使用を検討されている方は、今までお話してきた内容を参考にしつつ、皆さんの理想に合った樹種を選んでください。
ポイントは色味や幅、模様による視覚からくる効果を考えつつ、木の特性を知って適材適所で合うものを選ぶこと。そして最後に住宅全てを見た際のバランスや統一感を忘れず選ぶことで理想的でまとまりのある住宅が完成すると思います。
長年、木と関わってきて色んなところで使用しているのを見てきました。その都度、無垢材の素晴らしさや自然の強さなどを感じます。他の集成材などに比べると確かに無垢材は高価ではあります。しかし、長い目で見て無垢材を使用した空間の快適さを感じてしまったら抜け出せません。
昔は大工さんなんかの間でも無垢材は贅沢品と言われてきました。それが現代では暮らしに求めるものが変化し、日々のライフスタイルを楽しんだり、こだわりや趣味を追求する家づくりなど、考え方も変化したことで従来の無垢材の価値感も変化してきたように感じます。
これから先も長く住み続ける住宅だからこそ、快適で居心地の良い空間づくりは大切です。是非、自分たちだけの居場所を最高のものにしていってください。無垢材のことで何かございましたらお気軽にご連絡くださいませ。
コラム監修者からのメッセージ
監修者:滝口 敦
(2級建築士・宅地建物取引士・慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)MBA取得・既存住宅状況技術者)
木材の専門店として、今までも多くの木材を扱ってまいりました。今回のモンキーポットも含め、その経験と実績をもとに、今後も皆様にご満足いただけるよう、良い無垢材を提供していければと思っております。個人のお客さまも、法人・会社・業者様も含め、木材のことなら何でもお気軽にご相談くださいませ。