カバザクラフローリングについて

更新日:2024/01/27
カバザクラの歴史・特徴
カバザクラと聞くと、桜の木をイメージするかと思いますが、ここで言うカバザクラは実は桜とは別物になります。桜の咲くカバザクラは「蒲桜」と書きバラ科サクラ属のサクラの栽培品種になります。逆にここで言うカバザクラの「カバ」は「樺」のほうになります。ですのでカバノキ科シラカンバ属の落葉広葉樹となり、植物で言うと全く別の木ということになります。びっくりですよね!ではなぜカバザクラというのか?それは緻密な樹肌と材質がサクラと良く似ている事からそう呼ばれるようになったんだとか。昔は現在のようにあちこちで桜がありませんでした。お花見などの桜は観賞用で人の手によって植えられているので現在のように色んな場所で見ることが出来ますが、昔の桜と言えば山桜。山桜は何よりも成長に時間がかかります。そして野生に自生するものが多く、その地域の環境によって変異したりすることもあり、伐採に関しても時間と手間がかかる為、高級品として扱われることが多いです。そこでその素材の類似品として樺の木が使用されるようになり「カバ桜」と呼ばれ、重宝されるようになったようです。このように聞くと山桜の方が良いと思われるかもしれませんが、そんなことはありません!
カバザクラの特徴
カバザクラの特徴は何と言ってもその美しい艶です!白っぽい肌にきめ細かい木目がまさに美人さん!色白とあって住宅に使用すると明るさを増し、少しの光だけでも明るい空間へと変化させてくれます。住宅の壁なども白ベースであればより一層明るい雰囲気になります。また、材質も良く、加工がしやすい上にお手頃な値段なのも嬉しいところです。そしてきめの細かさからか肌触りも良く、触った感じがスベスベと滑らかでずっと触っていたくなるような肌触りです。
この肌触りや適度な硬さ、足腰に負担が少ないカバザクラは体育館やダンスフロアやステージなんかにもよく使用されます。ステージなんかは色白のお陰でライトが反射していい照り返しをしてくれることでしょう!そう言われてみると出来立ての体育館の床って白くて綺麗でしたよね?肌触りもいい為、塗料のノリも良く仕上がりは綺麗に艶めくんです。

原産
カバノキ属は、カバ・カンバ(樺)、カバノキ(樺の木)などと総称され、先ほども述べたように木材としてはカバザクラ(樺桜)と言われます。サクラの方がイメージが良く見える為、そこに乗っかってカバザクラと材木商が言い出し、売り文句にしていたのが始まりとされるので、木材商の商売上手が見てとれますね。世界に約40種ほど、日本であれば約10種があるようで、日本であれば北海道や本州の東側に多いとされています。ただ、種類によっては沖縄にもあるようですがあまり暑い地域では生息しづらいようです。
用途
カバザクラは加工性も良く、仕上がりも綺麗なので様々なものに使用されます。家具材や建具材、もちろん内装としても床材や、器具材など多岐にわたります。一番小さいものだと爪楊枝なんかにも使用されたりするようです。色が白くて肌質もいい、その特徴を生かした用途がいいですね!何でもそうですが、向き不向き、良し悪しはどこにでもあります。それを見極めて、素材の最大限の良さを引き出すことで木材も報われるんじゃないかなと思います。

カバザクラフローリング施工例

色白さんで白壁との相性が抜群
カバザクラの色白が壁の白との相乗効果でお部屋全体が明るくなります。電気の照明とはまた違った明るさでナチュラル感も増します。

他の木材との組み合わせで色んな表情が引き立つ
アガチスの格子やカウンター、そしてカバザクラの床材。色んな木材と組み合わせることによって色んな表情が出てきます。自分好みの素材選びでマッチングさせるのも楽しいですよね!

和にもマッチするカバザクラ
もちろん、和テイストにもマッチするカバザクラ!床材だけでなく、和室の棚や床の間に使用してもナチュラルで明るめの和室が出来上がります。もっとモダンで重みのある和室がお好みの場合は色合いの濃いものなどを使用したらいいかもしれませんね。

木材の豆知識
木材の話をする際に、所々で出てくる「キャラクターマーク」というキーワード。何となくイメージはつきそうですが、一体どんなことを言うのか少しここでご説明いたします。
キャラクターマークとは簡単に言うと、木材の表情のことを言います。木材は切り方や、加工の仕方で色んな表情を見せます。木を竹のようにスパンッと切ったら断面は縦の繊維、木目が見えますが、横に切断したらいくつもの円を描いた年輪が見えますよね?そう言った断面で見せる表情を総称して材木業界ではキャラクターマークと言います。このキャラクターマークにも色々種類があります。例えば【節】と言われるものや、【杢】【脂壺】【樹脂痕】【金筋】と言われるものもあります。これらは全て木々の成長段階で起こるドラマでもあります。例えば【樹皮痕】なんかは鳥や虫などに傷つけられた部分を自ら癒そうと、その傷口を巻き込むような形で成長する際に出来ます。その傷痕によって出来る筋や変色などを【樹脂痕】と言います。
木は生き物ですから、いくら同じ切り方や加工をしても一つとして同じものはありません。その木々によって生きてきた証として木目が出てきますので、とてもいい環境で過ごした木は成長が良く、年輪の幅も大きくなりますし、逆に過酷な環境下で生きてきた木はギュッと締まったような年輪になります。例えば林業の職人さんなんかはこの断面を見てどのような環境で育ってきたかがある程度判断出来たりするそうです。そう考えると木材にも何だかロマンを感じますよね…
やはり、高価なモノは木の大きさだけではなく、この背景にある環境なども関わってきます。本来であればここまで大きく育つはずもない種類の木でも、とっても環境が良く、栄養分も豊富な土地で生息したお陰で大木となり、その珍しさから高値を付けることもあります。ただ、一概に全てが高値かと言われればそんなこともなく。実際、とてもいい木材だとしても加工する際の強度や美観の面から時に欠点として扱われることも多々あります。木材にはその国によって様々な基準があるようで、それによってグレードも分かれてくるそうです。見た目の美しさや、強度の問題、腐食や使いやすさなどなど。この基準をベースに木材を加工してしまうと本来ある木材の生き生きとした良さだったり表情がなくなってしまうこともあるので悩むところではありますよね…
しかし、最近はこのキャラクターマークを生かした使い方が増え、昔のように同じ色味で似たようなモノを使用した統一感よりも、自然のもたらす色合いや、味わいなどを大切にしそのままの表情で加工することも多くなってきました。国の定めた基準に沿うよりもその木々たちが生きてきた証を魅力として選んであげることが尊敬に値するような気がしますね。是非、皆さんも心惹かれるキャラクターマークに出会った際は木の持つ魅力を生かしつつ、一緒に生活出来るような家づくりを考えてみてはいかがですか?

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